Information Gap Buster 特定非営利活動法人

5月定例会「事例で学ぶ差別禁止法令」


 

NPOインフォメーションギャップバスターのインターンの小林と申します。

5/21(土) 10:00-14:00に、FBCフォーラム(神田)で開催された定例会「事例で学ぶ差別禁止法令」に参加してきました。

 

午前では「障害者差別禁止法令〜職場と生活〜」および「文化&教育の事例における差別禁止法令」というタイトルで差別事例や障害者差別の解消に関する法令の解説を頂きました。

午後からは参加者によるフリーディスカッションを実施し、実体験の共有などについて議論しました。

●午前

冒頭から主催者による事例として、電車遅延時のアナウンスが難聴者には聞こえないため、取得できる情報に差が出来てしまうという事例を聞き、今まで本当に気づかないところで障がいのある人は困っていたんだろうという事実に気づきました。

「障害者差別禁止法令〜職場と生活〜」では、若林亮弁護士より、まず障がいとは何かを解説頂きました。

・耳が聴こえない。この状態を治すという観点が医学モデルの障がい。
・耳が聴こえない。電車遅延時のアナウンスが聞こえないといった不便が生じるという観点が社会モデルの障がい。

⇒医学モデルには限界があるため、社会モデルで障がいによる不便を取り除くという発想を持つ。

このような解説を頂き、私がこれまで整理し考えれていなかったこともあり、大変感銘を受けました。

私は医者ではありませんので、医学モデルによる障がいのある状態を治すことは出来ませんが、社会モデルによる障がいの不便を取り除くことには、誰もが配慮により取り除くことに貢献できるはずだと感じました。

次に、そのような配慮として「合理的配慮」という言葉があることを学びました。

これは法律で用いられている言葉であり、2016年4月に施行された「障害者差別解消法」により行政機関は法的義務、民間は努力義務を負ったもので、障がいによる不便に対して、過重な負担とのバランスを取りながらそれを取り除くのに必要な配慮を行うというものです。

「障害者差別解消法」は施行されたばかりで、まだ具体的にどういった合理的配慮を行っていけば良いのかはこれから少しずつ決まっていくそうです。

大切なのは障がいがあることで何が不便なのか、どういう配慮が必要なのか、それが過重な負担とならないかといったことをよく議論していくこととのことです。

なお、障害者雇用促進法も2016年4月より改正され、合理的配慮が義務となったようです。
職場においても、労働者の募集・採用や、職場での待遇の確保などに対し、合理的配慮が必要となっています。
聴覚障がいのある人の場合では、筆談やメール等を使用するといった「過重な負担でない配慮=合理的配慮」を実施していく必要があります。

「文化&教育の事例における差別禁止法令」では、藤木和子弁護士より、台本貸出やノートテイクといった実際にあった合理的配慮の事例を解説頂きました。

「障害者差別解消法」は施行されたばかりで事例は少ないですが、法的根拠ができルール化されたことが大切で、今後は相手の立場も考えつつWin-Win(お互いにメリットのある対等な関係)で配慮を求めることが大切と学びました。

 

●午後

参加者によるフリーディスカッションを実施しました。私のグループでは、「障害者差別解消法」が施行されて身近で何か変わったかといった事を話し合いました。

私自身は、普段は周りに障がいのある人が居ないこともあり、日常の行動で何かが変わったということはありませんでした。ある都議会議員のブログで、公園で障がいのある子どもを遊ばせるためにテントの仮設トイレを設置することが「障害者差別解消法」の合理的配慮に該当するかといった記事があり読んでいたのですが、それを目にしていなければ「障害者差別解消法」が施行されたことも気づかず参加していたと思います。

他の参加者では、法施行後も職場において合理的配慮を変わらずしてくれないといった体験を話してくれる方がいました。合理的配慮における「過重な負担でない」という基準は何なのかという議論に発展し、弁護士の方に解説頂きました。

・事務又は事業への影響の程度
・実現可能の程度
・費用負担の程度

の指標により判断されるとのことでした。職場で難聴者がいた場合に筆談等を用いることは、

・事務又は事業への影響の程度は軽微
・実現は十分に可能
・費用もほとんどかからない

そのため、合理的配慮に入ると考えられるとのことでした。また、これによる難聴者が仕事に参加することでの成果を考慮すれば、企業としても生産性があがりメリットがあるため、それを含めてよく話し合うことが大切だと解説頂き、午前中のWin-Winという事例がよく理解できました。

 

●全体を終えて

私はこれまで、障がいのある人と触れ合う機会が少なかったこともあり、これまであまり考えられていなかったことを痛感しました。事例の中で障がいのある人がどういったシーンで不便を感じるのか、初めて知ったことがたくさんありました。知らないことにより配慮が足りなかったということも多々あったかも知れないと思いました。知っていればもっと配慮ができる人になれるかも知れない。ぜひ、障がいがあることで何が不便なのか、どういう配慮が必要なのかをもっと学びたいと感じました。私自身も今後はよく考え、合理的配慮ができるようになろうと感じました。そして、合理的配慮の事例が社会の中で蓄積し、多くの人がそれを知ることで、障がいのある人が不便を感じる機会が自然と減っていくような社会が実現すれば良いと感じました。

以上

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