【ご報告】 都立忍岡高校 『デフリンピックをとおしてきこえない・きこえにくい世界を知ろう』(2026/03/18)
2026年3月18日、NPO法人インフォメーションギャップバスター(IGB)理事長の伊藤芳浩が、東京都立忍岡高校において『デフリンピックをとおしてきこえない・きこえにくい世界を知ろう』というテーマで講師として登壇しました。全校生徒約200名が参加しました。

都立忍岡高校での講演の様子(1)
今年度よりIGBは、東京都教育委員会が推進する「インクルーシブな学び東京コンソーシアム」に参加しています。これは、多様な人が共に支え合う共生社会の実現を目的とした事業であり、IGBはこの枠組みのなかで教育現場への情報提供と対話の機会を担っています。
今回の講演では、昨年11月に東京で開催されたデフリンピックの競技の様子や、大会運営における情報保障の工夫、そしてきこえない選手たちが切り開いてきた歴史的背景を紹介しました。多くの生徒にとって「デフリンピック」という言葉自体が初耳であり、スポーツを通じてきこえない・きこえにくい文化に触れる機会となりました。
講演の後半では、「非常時に身近にきこえない・きこえにくい人がいたら?」というテーマでグループディスカッションを実施。生徒たちは実際の場面を想定しながら、
- 「ジェスチャーで話しかける」
- 「メモ帳を用意して筆談する」
- 「お困りごとはないですかとスマホに書いて呼びかける」
など、具体的で実践的なアイデアを次々と出し合い、活発な議論が続きました。

都立忍岡高校での講演の様子(2)
講師が繰り返し強調したのは、「積極的に話しかける勇気を持って欲しい」ということです。きこえない・きこえにくい人との出会いを「どうすればいいかわからない」という戸惑いで終わらせるのではなく、まず声をかける・近づくという一歩こそが共生社会の入口になる——その姿勢を、生徒たちが自分のこととして捉えてくれたのであれば、この講演の意義は十分にあったと感じています。
IGBでは、こうした教育現場での対話をきっかけに、次世代に「情報・コミュニケーションバリアフリー」の視点を広げていくことを重要な使命の一つと位置づけています。スポーツや文化という身近な入口から障害理解を深め、若い世代が「当事者ごと」ではなく「社会の課題」として捉えられるよう、今後も学校・教育委員会との連携を継続していきます。
【ご担当の先生の感想】
ご多忙の中、本校にお越しいただき、デフリンピックのご紹介をはじめ、障害理解について大変貴重なお話を伺う機会をいただき、誠にありがとうございました。
日頃、生徒たちには、外からは見えにくい困難に寄り添う姿勢の大切さを伝えておりますが、今回のお話は、その意味を深く実感する学びとなりました。
特に、ろう者の皆さまが日常生活の中でさまざまな工夫を凝らし、また音や言葉を習得するために長い時間をかけて努力を積み重ねてこられたことについて伺い、その一つひとつに深い敬意を抱きました。
また、講演中に何名かの生徒が自然に手話でコミュニケーションを取ろうとしている姿があり、私自身そのことを事前に知らなかったため、大変驚くと同時に胸が熱くなりました。生徒たちは、目の前の相手にしっかり向き合い、自分にできる方法で関わろうとする姿勢を示しており、「誰かをサポートすること」が日常の一部として根づきつつあることを改めて感じる場面でもありました。
今回の講演は、生徒一人ひとりが「互いを理解しようとする姿勢」や「相手に寄り添う心」をさらに育む、大きな第一歩となりました。このような貴重な機会をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。
忍岡高等学校 数学科 在原 有紀 先生
(文責:伊藤芳浩 NPO法人インフォメーションギャップバスター理事長)


















