SDGsに関する取り組み
私たち特定非営利活動法人インフォメーションギャップバスター(以降、IGB)は、多様な人々が、多様なコミュニケーション方法により、一人ひとりの価値を最大に発揮できるインクルーシブな社会を創ることを目指して活動を行なっています。
SDGs の理念である「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現に向けて、私たちは SDGsの6つの目標について、取り組んでいます。
目標 3.すべての人に健康と福祉を
目標 3.すべての人に健康と福祉を
IGBの取り組み①:手話による医療通訳推進 |
聴覚障害者は、医療機関で医療従事者とのコミュニケーションが十分に行われず、インフォームド・コンセントが不十分、受療抑制が起こる等の問題が生じ、健康格差につながっているとされています。この現状を解決すべく、病院で働く手話言語通訳者の全国実態調査、医療用語手話DVDの作成、医療専門カリキュラムの開発、病院への手話通訳者の配置に向けた法律や制度改正の陳情、啓発活動等に取り組んでいます。 |
IGBの取り組み②:障害児者の家族、ヤングケアラー支援 |
家族については障害当事者ではないことから、福祉等の支援から取り残されている現実があり、特に障害児のきょうだい、障害のある親をもつ子ども等、未成年のヤングケアラー支援について、法律や制度改正、啓発活動に取り組んでいます。 |
目標 4 . すべての人々への、包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
目標 4 . すべての人々への、包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
ターゲット 4.5:2030 年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民及び脆弱な立場にある子ども等、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする。
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IGBの取り組み①:インクルーシブ教育の推進 |
障害者権利条約の謳う「インクルーシブ教育」を進めるため、「同じ学校、同じ教室で」育ち学ぶことを基本とした教育を広めていくために活動しています。なお、真のインクルーシブ教育の実現のためには同じ学校に通うことになる障害児のきょうだいについても適切な配慮が必要です。具体的には、教育現場における、情報アクセシビリティを確保するために、関連団体と連携して、啓発活動や情報交換などを行っています。 |
IGBの取り組み②:ヤングケアラー支援 |
ヤングケアラーが親や祖父母、きょうだいのケアにより、学業や部活動、進路などに支障が出ないように、法律や制度改正、啓発活動に取り組んでいます。 |
目標 8. 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
目標 8. 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
ターゲット 8.5:2030 年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用 及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一労働同一賃金を達成する。
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IGBの取り組み:職場環境改善 |
聴覚障害者が働くために必要な情報保障(音声情報の可視化など)や、障害理解の啓発等の支援が極めて不十分であるため、障害者が必要とする合理的配慮の確保にかかる公的制度の拡充を求めています。具体的には、コミュニケーションバリア解消を求めるための啓発活動(シンポジウム開催など)やロビイングを通して、行政や企業に働きかけて解決を図っています。 |
目標 10. 各国内及び各国間の不平等を是正する
目標 10. 各国内及び各国間の不平等を是正する
ターゲット 10.3:差別的な法律、政策及び慣行の撤廃、ならびに適切な関連法規、政策、行動の促進等を通じて、機会均等を確保し、成果の不平等を是正する。
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IGBの取り組み①:サービス利用上の公平性の確保 |
障害者権利条約が求める「障害のない人との平等」に基づき、電話リレーサービスなど、聴覚障害者が社会で不利な立場をカバーするためのサービスの利用促進やロビイングを行っています。電話リレーサービスを利用するにあたって、本人確認の拒否など不公平なことが発生するケースに対しては、啓発活動(パンフレット配布やシンポジウム開催など)やロビイングを通して、行政や企業に働きかけて解決を図っています。また、聴覚障害者が居る家族が過度に負担を負うことがないように、聴覚障害者本人のサービス利用の促進とともに、家族支援、特にヤングケアラーの支援の仕組みの設立を行政に求めたりしています。 |
IGBの取り組み②:インクルーシブなオンラインイベントの実現 |
各種オンラインイベントにおいて、誰一人として残さず、みんなで共に学ぶことのできる、情報保障(音声情報の可視化など)にも取り組んでいます。障害の有無に関わらず、多様なニーズに応じて、情報保障を実施していきます。 |
目標 11. 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
目標 11. 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
ターゲット 11.2:2030 年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子ども、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大等を通じた交通の安全性改善により、すべての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。
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IGBの取り組み:交通機関における情報アクセシビリティ向上 |
公共交通機関では、緊急・非常事態のアナウンスが音声中心となっていることが多くあり、聴覚障害者にとっての情報アクセシビリティが十分でありません。このため、誰もが安心して使える公共交通機関を求め、国交省や事業者に働きかけています。 |
ターゲット 11.5:2030 年までに、貧困層及び脆弱な立場にある人々の保護に焦点をあてながら、水関連災害等の災害による死者や被災者数を大幅に削減し、世界の国内総生産比で直接的経済損失を大幅に減らす。
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IGBの取り組み:インクルーシブ防災 |
聴覚障害者の防災や避難のシステムが不十分なため、聴覚障害のない人と同等に避難することができていないのが現状です。災害発生時に必要とする合理的配慮の内容を調査し、誰もが取り残されることのない防災対策のあり方を目指して啓発活動を行っています。 |
ターゲット 11.7:2030 年までに、女性、子ども、高齢者及び障害者を含め、人々に安全で包摂的かつ 利用が容易な緑地や公共ビジネスと人権市民社会プラットフォームスペースへの普遍的アクセスを提供する。
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IGBの取り組み:地域生活、交通機関の情報アクセシビリティ向上 |
誰もが住みよい社会を目指して、多くの人が利用するデパート、店舗、ホテル、映画館、劇場、スタジアム等の公共的施設や各種イベントにおいて、情報アクセシビリティの向上(字幕、情報の可視化、手話通訳等)や、障害理解の啓発に取り組んでいます。 |
目標 17. 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
目標 17. 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
ターゲット 17.16:すべての国々、特に開発途上国での持続可能な開発目標の達成を支援すべく、知識、専門的知見、技術及び資金源を動員、共有するマルチステークホルダー・パートナーシップによって補完しつつ、持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップを強化する。
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IGBの取り組み:国際協力(ブラジル・たんぽぽプロジェクト等) |
誰一人取り残さないとの観点から、DPI日本会議などと連携し、ブラジルなどの途上国の聴覚障害者が地域で暮らせるように、日本での活動を通じて得たノウハウ(セルフアドボカシーなど)を活かして、障害者のエンパワーメントにつなげていきます。また、コミュニケーションバリア解消の一環として「透明マスク(トールマスク)」の普及活動(聴覚障害者にとって口元を覆うマスクがコミュニケーション上のバリアになっているため)を行なっており、透明マスクの作成方法を英語版やネパール語版を作成し、公開することで、国際協力につなげている。 |