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Information Gap Buster 特定非営利活動法人

電話リレーサービス普及シンポジウム(10/10東京開催済)


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識者の立場から、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会 相談役の高岡さんが、基本的人権の保障や企業の障害者雇用促進の観点などから電話リレーサービスは不可欠であると力説されていました。

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続いて、電話リレーサービス事業者の3社から、現状と提言についてお話ししていただきました。

最初にアイセック・ジャパンの一瀬宗也さんが、電話リレーサービスの現状について説明されました。「情報保障は聴覚障害者のためではなく、社会全体のためのものである」と話していたのが印象的でした。
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次に、シュアールの大木洵人さんが、シュアールの電話リレーサービスを含むビジネスモデルについて話されていました。手話通訳不足の課題という現状の課題についても言及されていました。
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最後に、プラスヴォイスの三浦宏之さんが、電話リレーサービスの利用状況を説明され、徐々に増えてきているが、まだまだ十分な普及になっていない。助成金も不十分とのお話がされていました。
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いずれの電話リレーサービス事業者にも共通して言っていたことは、「福祉ではなく、通信機会の平等化」という観点で進めるべきという意見でした。

そして、ユーザーの立場から、個人事業主で「ありがとうの種」代表の柳匡裕さんが、食材調達の交渉などで、今までメールやFAXでは2週間かかっていたものがたったの5分で済んだという話をされていました。現状の課題として、入電(コールバック)ができないなどを挙げられていました。
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フリーディスカッションの冒頭では、総務省総合通信基盤局料金サービス課の本橋充成さんから、日本のユニバーサルサービス制度についてお話がありました。日本のユニバーサルサービス制度は、日本中に張り巡らされたNTT東日本及びNTT西日本の加入電話網等が地理的格差なく提供できるようにするためのもので、例えば、米国のように聴覚障がい者などの電話が利用できない人を対象とした制度になっていないため、電話リレーサービスなどの障がい者向けの通信サービスに対する経費負担はできないことになっている旨説明がありました。
◆ユニバーサルサービス制度(総務省)
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その後、関係者間でのユニバーサルサービスについてもっと多くの人が理解していく必要があるなどの意見が上がりました。

非常に貴重な場に、様々な立場から多くの方に参加していただき、非常に活発な議論ができたのは大変良かったと考えています。現状の課題について、関係者が共有できたのが一つの前進と考えています。今後は、さらに電話リレーサービスの公的実現に向けて、具体的な解決案を提言できるように、関係者間で議論を継続していきたいと考えています。

なお、アンケートの結果を見ても、非常に良かったが8割、とても良かったが2割と大好評という結果でした。ユニバーサルサービスをはじめ、現状について知ることができたのが良かったという声が非常に多くありました。

また、皆さまからいただいた署名についても、国民の声という形で、総務省に届け、検討した解決案を踏まえて提言したいと考えています。引き続き、ご支援・ご指導の程、宜しくお願い致します。

次回は、名古屋(場所:名古屋市総合社会福祉会館)で1/23(土)、大阪(場所未定)で2/6開催の予定です。

登壇する電話リレーサービス事業者は以下の通りです。
名古屋 1/23(土) :プラスヴォイス、アイセックジャパン
大阪 2/6(土) : シュアール、沖縄聴覚障害者情報センター

[ご参考] ◆ 10/10 電話リレーサービス普及シンポジウムのお知らせ
◆ NHK手話ニュース845にて電話リレーサービス普及シンポジウムの様子が放映されました(10/12)

この記事のリンク | カテゴリ: 講演・セミナー実施報告, 電話リレーサービス
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