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Information Gap Buster 特定非営利活動法人

【ご報告】渋谷区社会福祉協議会主催 登録手話通訳者第1回研修会(2020/9/5開催)


2020/9/5(土)に開催された「令和2年度 渋谷区社会福祉協議会主催 登録手話通訳者第1回研修会」に講師としてお招きいただき、電話リレーサービスの講演をいたしました。

今回は、情報保障の前線で活躍中の手話通訳の皆さまの前でお話しをさせていただく貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。

手話通訳の皆さまに、電話リレーサービスの必要性、そして啓発していくことの必要性について認識していただけて、大変嬉しく思っています。運用上の課題は多々ありますが、皆さまと連携して、解決していきたいと気持ちを新たにしました。

参加者の皆さまから、感想をいただきましたので、主催元の許可をいただいて掲載いたします。


◉正直、電話リレーサービスについて、聞こえない方のためのコミュニケーション手段、くらいの認識しかありませんでした。

ご友人が遭難された時のお話しを伺って、命を守るとても大切で有効な手段だということが分かりました。

また、聞こえない方々の社会参加や自立のためにも役立ち、利用しやすいサービスだと思いますので、沢山の方々に知っていただきたいですね。

今後、公共サービス化に向けて様々な課題があると思いますが、移行期間が円滑に行われるよう、切に願っております。


◉伊藤芳浩様

先日は渋谷区登録手話通訳者の会でご講演頂きありがとうございました。

知っているようで実はあまり知らなかった電話リレーサービスについて、公共インフラと承認されるまでの経緯や活用方法など勉強になりました。日本では法整備から実用化まで何事も時間がかかります。

また、様々なことについての取り決めが必要でこちらもまだまだ大変だと思いました。伊藤さんは私の印象としてとても物静かな方だと思いました。なのでNPO法人理事長としてのアグレッシブな活動にすごくギャップを感じました。私たち通訳者も自らの身分保障などを獲得しながら電話リレーサービスに協力していけるよう日々研鑽したいと思いました。


◉伊藤氏には、まずは講演のお礼とお忙しいのでお身体ご自愛くださいをお伝えしたいと思います。

電話リレーサービスの制度化にあたって

国に全ての費用の負担をお願いするのではなく、利用者も通話料や登録料など負担出来ることを考え提案すると早期に制度化出来るのはないかと思います。

利用者にとっても便利で、手話通訳者も快適に自信を持って働ける場所になれば嬉しいです。期待しております。


◉電話リレーサービスの法制化に向けての経緯や、それに関わるご自身の活動をわかりやすくご説明いただき、とても貴重なお話を伺うことができました。このサービスが聴覚障害者だけではなく、すべての人のためのものであると強調されていたことが印象深く、まさにこの点が「公平と自立」の意味を表していると思いました。また、電話リレーサービスにおける通訳の課題について思いを巡らす機会にもなりました。公共インフラとしての同サービスの運用についてさまざまな方法で普及を促し、開始された後に生じる問題に対しても解決策を見つけ、みなが利用しやすいものに発展させていくことが重要だと思いました。


◉リレーサービスの現状、新サービスへのニーズの背景等わかりました。ただ、このサービスが出来ることで、本来電話以外のコミュニケーション方法体制を確保すべき側の遅れが出てくる事は無いのか、社会全体でコミュニケーション確保が進まない中での暫定対策なのか、だとすると、目指す姿はどこなのか、手話通訳の援助技術は不要と考えられる中オペレーターの技術は何なのか、等わからない事も多いと感じました。先行している諸外国の実状で把握しているメリットデメリットがどうなのかも知りたかったです。


◉電話リレーサービス啓発プロジェクトを立ち上げ署名活動をして総務省に提出。2020年6月に電話リレーサービス法案の成立、2021年電話リレーサービス開始予定。

聞こえない人も電話を使える時がきました。しかし、電話リレーサービス利用時に課題があることが分かりました。課題の多くは受け手側の無理解。例えば、本人でないと断られる、通話拒否、待たされる等々。これらの課題を一つ一つ解決して必ず電話リレーサービスを広めていくという伊藤さんの使命感を感じました。

改正障害者雇用促進法、障害者差別解消法が施行されたが、受け手側の理解がないのは合理的配慮、差別禁止の不提供に当たらないのでしょうか?

今年のコロナ禍の中、公的記者会見で手話通訳者が付くようになりました。(聴覚障害者関係団体の要望の結果)。国民には、「手話=聞こえない人」と、広く知られたと思います。さすがマスコミの力はすごい! 電話リレーサービスも、もっともっと認知を広げていきたいですね。

私事ですが、聞こえない人と一緒に病院に健康診断の予約に行きました。受付で「健康診断を受ける人は聞こえない人」と伝えました。すると、「予約は本人が電話でしてください」と言われました。「今、本人がいますので予約を受け付けてください」とお願いしましたが、「電話でしか予約は受けません」と言われました。「予約する人は聞こえない人ですよ」と伝えても暫くは理解できないようでした。受付で揉めている様子を見た別のスタッフが来て予約することが出来ました。聞こえない人に対して「電話で予約して」と言うことに驚きと、改めて聞こえない人について無知なのだと分かりました。悲しい出来事でした。

社会には聞こえない人、失語症の人がいる、音声電話が出来ない人がいるということを広く啓発することが必要だと強く思いました。

聞こえない人が長年声を上げてきた成果が公的には法制定されているのに、庶民に声が降りてきていないのはなぜでしょうか?


◉講演の中でも「普及の壁」「運用の壁」とありました。

職場の聞こえない人に「電話リレーサービスを知っているか」と聞いたところ、「知らない」との回答でした。分かる限りで内容を説明したら「今はインターネットやメールもあるのでそれらで補える」「家族と生活しているし、友達もいるから緊急事態の時は彼らにお願い出来る」とのこと。

日本財団から総務省(国)へと旗振り役が変わって、今以上に緊急対応や利用制限が無くなったりと便利になるのであれば、家族や友人らの負担軽減のためにも広くこのサービスを知ってもらう必要があると思います。

また、サービス拡充のためには手話通訳者の確保も大きな課題であると思います。24時間365日対応するためには人材確保は必須です。手話が出来れば誰でも出来る訳でもありませんし。

私自身が未だよく理解していないので、この程度の感想で恐縮です。


 

この記事のリンク | カテゴリ: お知らせ, 新着情報, 電話リレーサービス
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