特定非営利活動法人インフォメーションギャップバスター(IGB)は、文部科学省が実施した「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」に関する意見公募(パブリックコメント)に、団体として意見を提出しました。
審議まとめとは
「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」は、令和10年度から順に実施される予定の次期学習指導要領について、基本的な方向性や各教科の改善の方向性を示したものです。中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会がとりまとめ、2026年10月5日に公表されました。
提出の概要
- 提出日:2026年11月1日
- 提出者:特定非営利活動法人インフォメーションギャップバスター
- 意見数:11件
意見は、インクルーシブ教育、障害の社会モデル、ろう・難聴の子供の情報保障、コミュニケーションバリアの4つの観点からまとめました。審議まとめでは「多様性の包摂」が改訂の柱のひとつとされ、「社会モデル」や「情報保障」という言葉も盛り込まれています。私たちはこの方向性を評価したうえで、きこえない・きこえにくい子供の学びをもう一歩確かなものにするため、具体的な見直しを提案しました。
主な提案
1. 手話を「言語」として位置付けること
障害者基本法は、言語に手話を含むと定めています。2025年には手話施策推進法も施行されました。一方で審議まとめの中では、手話は補聴援助システムなどの機器と並べて書かれています。
そこで、次のことを提案しました。
- 学習の基盤となる「言語能力」の説明で、言語に手話が含まれることを明記する
- 子供が手話・音声日本語・書記日本語などから、学ぶための言語を選べるようにする
- 手話で教科を教えられる教員を養成し、配置する
- 手話を第一言語とする子供の国語学習への配慮を示す
(意見1・4・5・6)
2. 情報保障を「最初からある環境」にすること
授業の音声情報に届くことは、きこえない・きこえにくい子供が学びに参加するための前提です。
そこで、次のことを提案しました。
- 字幕や手話通訳などの情報保障を、毎回個別に申し出て得る配慮ではなく、あらかじめ整えておく基礎的環境整備として位置付ける
- 国が作成する動画や教材に、最初から字幕と手話を付ける
- 話し合いや学校行事、入学者選抜でも情報保障を確保する
(意見2・3・7・11)
3. 社会的障壁を取り除く責任を明確にすること
審議まとめは、社会モデルの考え方「も」踏まえるという書き方になっています。
そこで、次のことを提案しました。
- 学校の環境や授業方法にある社会的障壁を取り除くことは、学校の役割だと明記する
- 合理的配慮について、本人の申し出を待つだけでなく、学校の側から選択肢を示す
- 学びの場の変更を検討する前に、まず必要な配慮を提供する、という順序を明示する
(意見8・9・10)
提出した意見の全文
提出した11件の意見の全文は、以下のPDFでご覧いただけます。
▶ 「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」に関する意見(PDF)
おわりに
学習指導要領は、これから10年近くにわたって全国の学校の教育の土台になるものです。きこえない・きこえにくい子供が、自分に合った言語で学び、仲間と対等に話し合える教室が当たり前になるよう、私たちはこれからも国や関係機関に働きかけていきます。
本件に関するお問い合わせ:staff@infogapbuster.or
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