2026年9月28日、理事長の伊藤芳浩が、国立障害者リハビリテーションセンター学院 手話通訳学科の特別講義を担当しました。

概要
- 日時:2026年9月28日(月)1〜2時限(90分×2コマ)
- 会場:国立障害者リハビリテーションセンター学院
- 対象:手話通訳学科 2年生11名、特定研修生2名
- 演題:言語的マイノリティと共に
国立障害者リハビリテーションセンター学院について
手話通訳者をはじめ、リハビリテーション分野の専門職を養成する国の機関です。手話通訳学科では毎年、学生が社会に出る前に必要な知識や視点を広げる場として、社会で活動するろう者を招いた特別講義を実施しています。
講義の内容
前半では、理事長自身の生い立ちとIGB設立の経緯に触れたうえで、情報バリア・コミュニケーションバリアという「見えないバリア」や、マイノリティとマジョリティの関係についてお話ししました。
後半では、特権、アンコンシャス・バイアス、マイクロアグレッションといった「心のバリア」、合理的配慮、言語権を取り上げました。電話リレーサービスの制度化、東京2020大会での手話通訳放映、パブリックコメントへの手話導入など、IGBの取り組みもあわせて紹介しています。また、ドラマの演出や手話歌をめぐる課題についても、ろう者と聴者が対等に関わるための視点からお伝えしました。
参加者の声(抜粋・一部要約)
無意識の偏見は自分ではなかなか気づけないからこそ、さまざまな人と交流し、相手の立場を想像できるようになることが大切だと思いました。
自分にとっての当たり前が、ほかの人にとっては当たり前ではない。そのことに気づくことが大事だと知りました。
マイノリティの方と関わるときだけ気をつければよいのではなく、一人ひとりに個性がある以上、相手が誰であっても気をつけなければいけないと思いました。
特権がある人ほど、その特権に気づきにくいという点が印象に残りました。自分が軽んじられる経験をしたときに、これまで同じような言動をしてこなかったかを振り返ることが、気づくきっかけになるのではないかと感じました。
本人の努力によらない特権だけでなく、努力の成果として得たものも手放しで謳歌してよいのか、立ち止まって考える必要があると気づきました。
マイノリティが声を上げることで、社会が気づけることもあると感じました。意見を述べる場の大切さを改めて考えるきっかけになりました。
通訳の現場でも、マイクロアグレッションと捉えられる発言を通訳しなければならないことがあります。悪意がないからこそ根深い問題だと感じています。自分も無自覚に同じことをしているかもしれないことに、自覚的でありたいと思います。
ろう者の権利を守り、社会参加を支える手話通訳者になるためにも、対等な関係を築くことを忘れないようにしたいです。
いただいた感想からは、学生の皆さんがそれぞれの経験に引き寄せて受け止めてくださった様子がうかがえ、私たちにとっても多くの気づきがありました。
これから手話通訳者として歩み出す皆さんが、ろう者とともに社会を変えていく仲間となってくださることを願っています。
貴重な機会をいただいた学院の皆さまに、心より感謝申し上げます。
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