【ご報告】 NPO法人川崎市ろう者協会主催(1/26開催)「電話リレーサービス勉強会」
2019年1月26日(土)に、川崎市のカルッツ川崎大会議室で行われた電話リレーサービス勉強会に参加してきました。NPO法人川崎市ろう者協会が主催者なだけあって、参加者の多くがろう者(あるいは難聴者)のようで、聴覚に障害を持つ当事者による電話リレーサービスへの関心の高さがうかがえました。
講師は、インフォメーションギャップバスター(以下IGB)理事長であり、全日本ろうあ連盟 電話リレーサービス法制化WG委員も務める伊藤芳浩氏、および同じくIGB理事で同WG委員である藤木和子氏のお二人。
まずは伊藤氏より、電話リレーサービスの概要説明と、日本国内における現況、海外における同様のサービスの状況、主な課題点などの説明がありました。
特に、先進国G7の中でこのようなサービスが公的に行われていないのが日本のみであることに関して、会場の参加者の方々の「へ~~!」というリアクションが印象的でした。
続いて藤木氏からは、アメリカにおける具体的なサービス状況や、ろうの兄弟を持つ家族(聴者)としての立場からのお話があり、特に、障害があるからサポートするということではなく、障害の有無にかかわらず家族の一人として同じ立場(平等)である、という彼女の考え方については大きく頷きました。
お二人のお話の根底にあるのは、電話リレーのようなサービスは、結局のところ障害の有無にかかわらずどちらの立場の人たちにとっても(ひいては社会全体にとって)メリットのあるwin-winなもの、という概念だと改めて感じるとともに、IGBとしてもこの点を今後もっとアピールしていく必要があるのでは、と感じました。
最後に、伊藤氏から実際にスマホを使った電話リレーサービスの登録方法(手順)が紹介され、会場の多くの方がその場でご自分のスマホを操作して登録手順を確認していました。(中にはその場で登録された方もいらっしゃると思います)
電話リレーサービス関連の講演会や勉強会に参加して毎回思うことですが、このサービスをご存じない(あるいはご存知でも使ったことがない)というろう者/難聴者などの当事者が意外に多い、という点です。(聞こえないので電話の利便性をご存じなくても当然のことなのですが…)
ところが社会では、電話でなければ用が済まないことがまだまだ多く、これらの改善を訴え続けると同時に電話リレーサービスの公的実現も速やかに実現しなければいけない喫緊要件であると改めて強く認識した勉強会でした。
(文責:IGB会員 山口タケシ)