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Information Gap Buster 特定非営利活動法人

4月定例会「情報デザインとメディア」記録


インフォメーションギャップバスター4月例会「情報デザインとメディア」記録

伊藤/少し遅れましたが、今から始めます。
   まず、今日のテーマは情報デザインとメディアについて。
   本日は投影されているタイムテーブルの通り進めます。
   (タイムテーブルの説明)
   まずテーマについて説明します。
   IGBの活動内容の紹介をします。
   その後お二人に前に出ていただき、自己紹介+専門の話をしていただきます。
   その後自由にパネルディスカッションをしていただきます。
   そして休憩を入れます。
   それから、参加者からの質問を受けます。
   次に、パネラーからのコメント、最後にクロージング、9時に閉める予定です。
   よろしくお願いします。
   今日のテーマは「情報デザインとメディア」についてです。
   ご存知と思いますが、3.11でいろいろな影響がありました。
   その中でメディアに対する考え方また、情報発信の考え方が、変わってきたと感じています。
   今日は関係するお二人をお招きして、いろいろな立場からのお話を伺います。
   よろしくお願いします。
   今日のパネラーを紹介します。
   左側から高木さんです。
   (拍手)
   高木さんは、ツタグラ、伝えるグラフィックの略称なんですけども、
   グラフィックの中でまとめて伝える方法やいろいろなワークショップを開催しています。
   伝えやすい方法は何か、日々、模索していて、とても興味のある活動をしている方です。
   続いてガ島通信の藤代さんです。
   実は、彼とはアルファブロガーの時からの知り合いです。
   直接、お会いする機会があまりなかったのですが、彼のジャーナリストとしての活動に
   とても興味がありました。
   最近は3/11を通して被災地の様子を伝えたり、被災地に情報提供する活動をしてきました。
   その立場からいろいろなお話を伺いたいと思います。
   よろしくお願いします。
   次にIGBの紹介です。◆インフォメーションギャップバスターのご紹介
   団体の名前は「インフォメーションギャップバスター」と言います。
   設立のきっかけを説明したいと思います。
   情報格差の例(1)として、例えば、電車遅延や、電車事故が発生しても聞こえない人は
   わかりません。
   テロップが出るのが、事故から10〜20分後になるので、聞こえない人はとりあえず
   聞こえる人の状況を観察して、真似ることが多いです。
   筆談で近くにいる人を捕まえて、聞くこともあります。
   そのためにどうしても情報格差が生まれます。
   この原因は、聞こえないことです。また、音声の情報が伝わりにくいことが原因です。
   情報格差の例(2)として、IT革命や情報革命によって、情報を沢山持っている人と
   情報を持たない人の差が増えてきました。それはやはり社会参加への格差、
   エンパワーメントの不足、また、ダイバーシティの考慮の不足、といった社会側が
   産み出している情報格差があると思われます。
   情報格差の例(3)として、3/11、東日本大震災の時に津波、福島第一原発事故や計画停電があり、
   その時聞こえない人は情報がわかりませんでした。
   例えば、津波の時は、津波警報が音声での情報でした。
   そのために逃げ遅れて、亡くなったろうの方がいます。
   逆に隣の人が隣にろう者がいることを知っていて、一緒に逃げて助かった人もいます。
   福島原発事故や計画停電の意味がわからず、混乱してしまったろうの方も居ました。
   本当は会社が休みになったのに会社にいっても、誰もいなくておかしいと思った
   ろうの方が何人かいました。このような例がありました。
   原因としては、これはリスク情報の伝達不足、情報に関する伝達不足、
   生活情報の伝達不足があります。真ん中の写真は食物を配給しています。
   例えば12時からこの場所でおにぎりをくばります、という情報を拡声器で伝えるため、
   聞こえる人にはわかりますが、聞こえない人はわからないために食べることができず、
   おなかをすかせたままになることがありました。
   これらの情報格差が発生している現場を目にした事もあり、
   IGBの目的は、まず、情報強者に対して情報格差問題を啓発すること、
   そして、情報弱者に対して情報リテラシー教育をすることとしました。
   今日の例会は、情報強者に対する啓発が目的です。
   皆さんに情報格差問題について気づいて欲しい。それを願って、今日の例会を開きました。
   次に、高木さんから自己紹介を含めて、ツタグラについてお話いただきます。
   よろしくお願いします。
高木/こんにちは。◆高木さん発表資料(一部)
   経済産業省クリエイティブ産業課課長補佐の高木です。よろしくお願いします。
   今日は、昨年からやっているツタグラというプロジェクトについて説明します。
   この思いとしては、日本を変えるインフォグラフィックスとしてやっています。
   なぜそんな思いでやっているかを紹介します。
   先ほど、3/11の話がありました。震災後、メディアのあり方が大きく変わりました。
   1つ目は皆が情報をテレビなどから受信するだけでなく、発信をするようになったことが、
   大きくあげられます。
   震災の直後には、こんな人が見当たらないとか、どこに行けば物資が得られるかなど、
   マスメディアではカバーできないような細かい情報が必要となりました。
   twitterなどで、自主的に発信するようになりました。
   もう1つ。
   マスメディアは、震災後でもテレビでかわいそうな場面などが流れていました。
   編集をして、一部の情報だけを流すことをしがちです。
   政府の記者会見などにも中継がはいることもできるようになったと思います。
   原発事故でもそうですが、今の情報だけでなく、5年後、10年後にどうなるかの
   不安も高まりました。一方でそのような議論ができるようにもなりました。
   いろいろな研究者の声が聞かれるようになりました。
   震災後、日本はいよいよ未知の世界に突入している感じが高まっています。
   フェーズが3つあると思って下さい。
   「知っていることを知っている」という世界があり、
   「知らないということを知っている」という世界があり、
   「自分が知らないことを知らない」という世界もあります。
   それくらい未知の世界として、日本は突入していると思っています。
   そう考えると暗いようですが、私たちはそこで何ができるのか。
   私が政策の現場にいる立場からできることは、コミュニケーションのあり方を
   改善したいと思いました。
   メディアが変わったという話をしましたが、政府が生の情報を早くだす。
   その情報を研究者やメディアがきちんと分析し、1つの答えではなく
   いくつものことを提供していく。
   最後は、例えば、このほうれん草が安全だとか、国が100%言うのは難しく、
   ひとりひとりが判断できるようにすること、これが今の日本に求められていると思いました。
   それに貢献する1つの方法として、インフォグラフィックス、
   情報をわかりやすく伝えるグラフィックスの必要があると思いました。
   難しいことを知っている研究者を呼び、その人の話をまず聞きます。
   わかりやすくするとこうだ、とデザイナーがわかりやすくして、それをWebサイトに投稿します。
   それをユーザーが評価をします。そして集まったものからよい物を表彰します。
   集まったインフォグラフィックスがいろいろな形でインターネットをとおして伝播していく、
   そのような仕組みを作り上げました。
   投稿されたグラフィックスの例です。
   人口減少していく日本の姿、環境問題などを掲げた研究者に聞き、
   いろいろなグラフィクスをあげました。
   レベルはそれほど高くはありませんが、グラフィックスに関するレクチャーをひらき、
   学びながら良くしていきたいと思います。
   インフォグラフィックスはどのようにすればよく伝わるのか。
   専門家によると5つの要素があると言われています。
   1つめは魅力的かどうか。
   これは新幹線の速さを比較したExcelの表をわかりやすく伝えた結果、
   グラフィックデザイナーがつくると目で見てわかるものです。
   2つ目はいかに簡略化するかです。余分な情報は必要ありません。
   牛の肉の部位を伝えるのであれば、それ以外の情報はいっさい書きません。
   牛の目も描いていません。
   3つ目は何を伝えたいかを明確化します。地図は典型的なインフォグラフィックスです。
   空港の情報だけが大きく書かれています。ガイドブックになどに載っているものです。
   ケースに応じてどの情報を載せるか変わってきます。
   4つ目は視線の動きが上から斜め下に流れたり、丸く流れたりします。
   最後になるべく言葉を使わないということです。
   ピクトグラムと言いますが、記号で伝えるのが大事な要素になっています。
   できるだけわかりやすく伝えることをやってきました。
   一方で分かったと思うことが危険だという議論もしてきました。
   わかりやすく伝えるものと、考えさせるためには、コミュニケーションにおいては
   両方が必要です。
   インフォグラフィックスにはどんな事例があるのか、簡単にご紹介します。
   最初の事例はロンドンの地下鉄の路線図です。さきほども地下鉄が遅延したら
   伝わりにくいということがありました。
   そもそも乗り換えはどうすればよいかわかりにくかったときにこの図が作られました。
   現在のインフォグラフィックスでいうと、ご存じの家具のメーカーIKEAの取扱説明書は
   言葉が一切出てきません。
   どんな国の人でも子どもでもすぐに組み立てられるようになっています。
   海外ではどのような取組がされているか。
   インフォグラフィックスで1番大事なことはデータです。
   データを誰がどのように、ということが重要です。
   アメリカにはWebサイトがあったりします。
   みんなのためのものだ、とか、デザイナーもかかわれるし、学校の先生も使うことが
   できるなど、誰でも使えるようになっています。
   もう1つのWebサイトで、ビジュアリーといい、大きなものです。
   これはいろいろな企業が協賛をして公共の目的でやっています。
   例えば、ナショナルジオグラフィックスのようなメディアもはいっていますし、
   IT系のベンチャーが利益の一部を使ってスポンサーもしています。
   余談ですが、インフォグラフィックスは楽しむこともできるものです。
   さきほどのアメリカのポータルサイトの中では、自分がデータを入れるとそれに合わせた
   インフォグラフィックスをすぐに作って表示してくれます。
   これは私で、隣が孫正義さんです。
   私と孫さんのtwitterのアカウントを入れると、私が過去につぶやいた履歴、
   孫さんのものが出てきます。
   私はデザイナータイプですよ、孫さんは仕事中毒だということが分析されました。
   その通りだと思って笑ってしまいました。
   夜中につぶやいているとこの人は仕事中毒だとなります。データは楽しく使うことが
   情報だと思います。
   一方的に発信するのではなく、ユーザーが入れた情報に基づいてグラフィックスを出す、
   というような双方向のやり方が重要です。
   ツタグラは政府の情報をオープンにしていきたいというのが私の目的です。
   国が作っている白書もすごくださかったり、伝わりにくいグラフがのっています。
   それをデザイナーにきちんと書いてもらってもっと伝わるデータにしたいと思っています。
   企業が出すレポートもデザイナーと協力して描いてもらうとか。
   これが1番の願いですがメディアがインフォグラフィックスをつかって分かりやすく
   伝えることをしてほしいです。
   最後の公共施設でのサイン計画が重要で、まだ日本ではできることがあると思っています。
   その意味でグラフィックスの可能性について訴えかけていきたいと思います。
   今日はご紹介ということでここまでにして、あとはいろいろと議論ができればと思っています。
   ありがとうございました。
伊藤/ありがとうございました。
   お話された内容から、3つのことを聞きたいです。
   まず、情報リテラシーの考え方として、「見方が色々ある方がいいという考え方」、
   そして、「わかった気にさせるのではなく、考えさせる」という話しがありました。
   この2つが情報リテラシーの重要なポイントだと思いました。
   これに関して、情報リテラシーを高めるためには、この2つをどのように各自に
   身につけてもらったらよいとお考えですか?
   もう1つは、3/11のあとにインフォグラフィックスがどのような面で効果があったか。
   もう1つは、ツタグラを使う機会が会社、公共施設といろいろなところがあると思います。
   例えば、学校などで、情報発信の力をつけるための教育が必要ではないかと思います。
   実際に社会で使ってもらうことが必要ですが、その前にデザイナーの卵を育てることも
   大事だと思いました。
   そのあたりは、どうお考えでしょうか?よろしくお願いします。
高木/ありがとうございます。
   本質的な質問だと思います。
   1つめに、わかった気になることと、考えさせることはどのように繋げられるかということです。
   インフォグラフィックスというのは、作者の意図が伝わりやすいので、
   ある特定の見方をする人がそれを伝えるために作ることもできると思います。
   例えば、震災のあと、原発の問題をどう考えるかが議論になりました。
   安全かそうではないかということは、1かゼロではないことが誰もが思ったと思います。
   それをどのように客観的に伝えるのかが重要だとなったと思います。
   リスクコミュニケーションというのは、農薬や遺伝子組み換えのリスクなど、
   いろいろと科学的にはこれまでやられてきました。
   ある程度客観的な情報をどのように考えるかは、1つには決められません。
   可能性という考え方をもう少ししていったほうがいいと思います。
   何%の可能性でどうなるかという話をきちんと伝えて、みんなで考えるのは大切だと思います。
   そのような議論をしないままに何かを決められません。
   地下鉄の路線図はわかりやすく伝えればいいのですが、
   世の中の情報は分かりやすく伝わればいいものと、
   なるべく客観的に情報を伝えるのと両方あると思います。
   2つめの質問で、3/11のあとでインフォグラフィックスがどのように使われたかの
   資料を用意してきました。
   私のデザイナーの友人が被災地で使えるインフォグラフィックスを集める
   ポータルサイトを作りました。彼は3/12からたちあげました。
   避難所にあるようなものでトイレを作るのにどうするのか。
   そのようなデザインの作り方を簡単にかいて、それをWikipediaのようなところで
   インターネットで編集して、被災地で使うということをしました。
   これは役立ったと聞いています。
   他のデザイナーのハラケンヤさんは無印良品のデザインをやっています。
   3/11の後に余震がどのくらいの大きさだったか、特定された放射能などをなるべく
   客観的にシンプルを重視して作りました。
   考えさせることが重要だと彼は言いましたが、余計な視点を入れないことも大事だ
   というのがこの事例です。
   もうひとつは神戸の震災の後に、その経験者のデザイナーが長くやってきた活動です。
   「地震ITSUMO」という本を出し、写真だと見づらくてもグラフィックスにすると見やすくなる。
   心の準備ができるようにと、しました。発信の力をつける教育も大事だと思います。
   絵を描く練習ではないと思っています。
   コミュニケーションはグラフィックスもそうですが、手段があるから絵があります。
   身振り手振りを含めての話だと思います。日本の教育現場では発表の機会が少ないと思います。
   最近、電通が「広告学校」を小学校で行っています。それを見たら面白かったです。
   小学生ひとりひとりが自分の広告を作って、前にステージを作り30秒のCMをします。
   そのために電通の広告プランナーがかかわって教えました。
   すると小学生はあらゆる手段を使い、自分のCMを作ります。
   絵を描く人もいるし、歌を歌う子もいます。
   色々な手段をつかって、伝えたいことをどう伝えるかの訓練が小さいときから必要だと思います。
   図画工作で絵を描こうというと、細かい話になりがちですが、そうではないと私は思っています。
伊藤/ありがとうございました。
   詳細の内容はまたディスカッションの時に改めてお話しします。
   続いて藤代さんのお話をお願いします。
藤代/よろしくお願いします。座って話します。◆藤代さん発表資料(一部)
   結構悩んでまして、資料ができたのが今日の夕方くらいでした。
   仕事の合間でやっていて、今日は忙しくてなかなかできませんでした。
   どのような角度から話をするのか難しかったので、私なりの話をしたいと思っています。
   とりあえずプロフィールからです。
   元新聞記者で、今はインターネットの会社に勤めながら、このような活動をしています。
   最初に紹介があったように、震災の情報ボランティアをしていて、
   最近はプロボノという仕組みを使って仲間と一緒に「skillstock」という
   Webサービスを作っています。
   ボランティアには限らず自分の持っているスキルを社会のために生かしたい。
   プロボノはそれぞれのスキルをいかして仲間でやっていくものです。
   ポータルサイトの会社や通信社、大学院生が参加しています。
   最近はプロボノや共感、シェアという考えが注目されると、すぐにやってみたくなるのです。
   震災のボランティや「skillstock」では、取材される立場も経験して面白いと感じました。
   今日は取材する側、される側としても考えることを話したい。
   震災とソーシャルメディアはいろいろな活動があると思います。記憶したり、情報発信したり、
   安否確認をしたり、支援活動もします。マスメディアの人に話すことが多いのですが、
   誰もが情報発信できるソーシャルメディアが登場する中で、マスメディアはこれでよいのかという
   話をすると非常に反応がいいです。
   これはYou Tubeに出た動画(陸前高田市消防団員の津波映像
   フル映像その1(http://www.youtube.com/watch?v=P1uvCaiGGGo)です。
   これは、間違えて反対になっているのではないです。消防団の人が港に津波を警戒しに
   いっているのですが、意外にのんびり構えています。「すごいね」という感じなんですが、
   急激に堤防を越えて水が足もとに流れてきます。その時に大変なことになっていると、
   気づいて車に乗り込みます。その様子をずっと携帯で撮っているんです。慌てていて、
   それで逆になっています。消防団の人は車で走りながら呼びかけていきます。
   「ばあちゃんも逃げないと」と。後ろからも砂煙がきているのです。
   この途中で追い越したばあちゃんは、果たして生きていたのかな、とも思うのです。
   このようなことがソーシャルメディアのパワーであり、残酷さでもあります。
   大きな津波が来るのに、なぜ逃げなかったのかなどと言われました。
   この映像を見たら、消防団の人たちものんびりと構えていたことがわかります。
   大津波警報が出ているのに、逃げて当然、私たちはメディアを通じてそう感じる
   かもしれませんが、現場ではそうではありません。あの時、東京でもたくさんの
   余震がありました。最初は警戒していた人も、「今度の余震は大きな」という感じで、
   だんだん机の下にももぐらなくなっていきます。
   高木さんの話とすごく近い話ですが、twitterやFacebookでも国や自治体が直接発信しています。
   フォロアーも増えています。
   経済産業省が進めたtwitterのJ ガバメント on ツイナビは、500自治体くらい入っています。
   それから動画の生中継。ライブでずっと中継されていました。それは今までとは違うと思います。
   いままでは、ニュースで断片的に知ることはできても、東京電力や保安院や経済産業省大臣が
   どんなことを話しているか詳しくは確認できませんでした。
   それから東京電力のデータ提供によるポータルサイトの電気予報。 従来はPDFで公開され、
   加工も検索も難しい。閲覧も微妙でした。データを出すことで、ポータルサイトなどが
   グラフィックにしてアップしたのは、情報格差を縮めることにも役立ったのかなと思います。
   東京電力が情報発信していないという人もいましたが、結構たくさんプレスリリースをして
   いたのです、ただPDFなので見えにくいし、共有されにくい。情報の出し方の工夫も必要と
   考えられます。
   さて、私たちは情報をマスメディアや官庁から得ています。ツタグラも官から出ている情報です。
   ネットを見ると「大本営発表問題」というのがあります。もしかしたらツタグラの情報は
   嘘かもしれない、とか(笑)
   福島原子力発電所の民間事故調という取り組みがあり、私もこの調査にワーキンググループの
   一員として関わってきました。報告書の書籍化に対して、
   ネットでは「ステマ(ステルスマーケティング)」といった批判を浴びました。
   これは報告書の発表時には決まっていなかった書籍化がすぐに決まったことに対して
   「最初から決まっていたのではないか」「プロモーションだったのではないか」
   と疑われたわけです。
   ブログにも書いたのですが、ワーキンググループのメンバーへの情報では、書籍化は発表時には
   決まっていませんでした。でも、説明に納得せずにずっと批判している人もいます。
   もうひとつ、報告書の中にマスメディアでは、「菅首相が介入」とか書いた事例もあります。
   混乱の原因が首相がマイクロマネージメントしたことにあったと言われています。
   警察車両がどこにあって、早く放水をしろなど、そんな細かいことを首相がやっているなんて
   「ぞっとした」と報道されました。
   これに対して、管首相の友人でもあり、官邸の広報を担当している下村審議官が「ぞっとした」と
   言ったのは私だとツイッターで発言して、こんなことまで総理が言わなければならないような
   技術系のトップのありさまに「ぞっとしたと言ったのだと説明したのです。
   マスメディアの論調は菅首相批判です。下村さんの内容だと官僚批判で菅さんを擁護しています。
   ぞっとした、という発言はヒアリングに対して答えたものなので、あったのだと思いますが、
   もしかしたら意味は下村さんがあとから、付け加えたかもしれません。
   上だと管さんの立場が悪いですよね。どっちが本当なんでしょうか。発言ひとつにとっても、
   現実は複雑、ということです。
   情報の受け手側は、大本営の発表、嘘だ、真実を伝えろ、正しい情報を出せといいます。
   「真実を伝えよ」というのは主にマスメディアに対して言われるものです。
   正しい情報を出せと言うのは、主に政治家や官庁にむかって言われることです。
   しかしながら、報告書の書籍化や「ぞっとした」で見たように、説明してもその情報を
   信じたくない人は「大本営発表だ」と言い続けることもあるし、どれが本当か分からないと
   いうこともあるのです。
   情報の真偽を誰かの責任にしておくと楽だということです。でも、現実は複雑です。
   たとえば民間事故調の報告書は400ページもあり、複雑で多角的に原因究明をしていますが、
   この本を読んで、さらに自分で考えて検討するのは手間がかかります。情報を確認すると
   いうのは面倒なことをやらないといけない。誰かの責任にすることは簡単なんです。
   官からの情報にしても、間違っていることもあります。でも、間違えていると批判し、
   正しい情報を出せ、責任を取れ、ということになると、官から情報を出しにくくなっていく。
   人に都合の悪い情報ならなおさらです。
   そうすると、情報を隠したり、都合がよい情報を出したりするようになるかもしれない。
   実は「大本営発表」を作り出しているのは私達かもしれないのです。
   情報発信が誰もできない時代なら、情報の出してである官やマスメディアを批判していれば
   よかったのかもしれません。でも、今はこの会場でtwitterをしていたり、
   Facebookに書き込んでいる人もいます。誰もが情報発信できるようになっているのです。
   画像は民主党ブーメランです。これは旧モデルですね。写真が管さんだから。
   民主党のブーメランというのはネットではよく使われるのですが、野党のときに
   自民党を批判していた人が政権をとって自分でやらなくてはならなくなったときに、
   批判していたのと同じ事をやっている。情報発信するようになった私たちも実は
   ブーメランになっていないか。
   マスコミ批判、役所に文句を言う、正しい情報をだせ、真実を語れ、というのはいいけれど、
   あなた達は大丈夫なんですよね、ということです。
   この画像は東京駅です。大混乱しています。イギリス人の英会話教師を殺害した容疑者を
   大阪から新幹線で移送してきた様子です。ちょうど帰宅時間に重なり、混乱している。
   「マスゴミ」のカメラが大迷惑、確かにそうなのですが画像のこの辺りをみると、
   携帯電話や携帯カメラを持っている人がたくさんいます。みんな撮影しているわけです。
   私たちもマスコミの皆さんと一緒のことをやっています。こういうことは、
   考えていかなくてはいけないと思います。
   もうひとつ、多様な意見が大事といいますが、311で多様な意見があることが
   よくわかりました。原発に反対や賛成、放射能に対する態度とか。
   多様な意見とは、理解できる多様な意見がそうではなく、
   わからないことがあるのが多様な意見です。人の考えていることは違いますから。
   放射能に対して敏感な人もいるし、あまり気にしていない人もいる。
   個人的にはあまり敏感すぎる人のことは分からないなということもあるのですが、
   そういう人もいるというのを認めるということが、多様性を認めるということでしょう。
   「そんな意見はおかしい」と切り捨ててしまうのは簡単ですが、
   理解できない意見や考えもあるという前提に立って、それでも多様な意見があることを認めて、
   話し合う社会を3.11以降は考えていかないといけないのではないでしょうか。
   自分たちも責任をどう引き受けるか。
   それが3/11以降、情報発信という点からのテーマになるのではないかと思います。
   情報発信は難しいし、情報取得も難しいと改めて自分でも思いました。
   まとまりませんでしたが、私の考え方は以上です。ありがとうございます。
伊藤/ありがとうございました。
   時間の関係もありますので、質問は2つに絞って伺いたいと思います。
   1つめが3/11以降に社会の皆さんが積極的に情報発信するようになったと思います。
   そのモチベーションがどこから来るのかといったことをお聞きしたい。
   現場に行かれて、感じたことがあればお話しいただきたい。
   2つめです。東京電力が発信する情報はわかりにくいことは計画停電の話でもしました。
   情報弱者は情報が入らず、混乱する中で生活していたようです。
   その中で東京電力などの会社だけでなく、市民のNPOなど、
   これからやるべき姿は何か話してください。よろしくお願いします。
藤代/発信のモチベーションに関してはよくわかりません。私の専門ではないので、すみません。
   NPOの役割は、適切な情報を出すように求め、適切に情報を扱うことではないでしょうか。
   NPOにかぎらず、企業や行政からすると、
   何か文句を言いに来るという意識もないわけではありません。
   もうひとつは協業という名の下請け。たとえば補助金だとかです。一緒にやると言いつつ、
   補助金目当てだったりもします。文句を言うか、ぶら下がるか。
   そういう姿ではなく、官や起業ともフラットな関係を望みます。仮に行政側がフラットに
   取り組みたいと思っていても、私たち側からもそれを見せないと動きづらいです。
   例えば、ツタグラも、私たちが利用をしないと行政の中では「やっぱり使われないよね」
   ということで終わってしまうことになります。
伊藤/ありがとうございました。いったん、休憩に入ります。
   8時20分まで休憩します。
   その間に受付で配布した質問票に質問したいことを書いて、
   休憩が終わるまでに受付に提出してください。
   休憩後、質問内容からチョイスしてお2人にまた質問したいと思います。
   1つか2つのテーマで2~3人でディスカッションをしたいと思います。


伊藤/始めます。お二人前へ。
   休憩の時に質問をいただきました。
   内容は3つです。
   1つめは、震災の時にドイツの気象庁が発表した放射能マップがネットで
   一人歩きした例がありました。
   そういう意味でもインフォグラフィックスを正しく判断して分析出来る力の教育が
   必要だと思います。そのあたり、どのようにお考えですかということです。
   2つめは、ツタグラの中で情報の価値を評価する仕組みがありますか?という質問。
   3つめはインフォグラフィックの成功例、失敗例があれば教えてください、という質問でした。
   この3つについて、どちらかお一人に答えていただきたいと思います。
   いかがでしょうか。
高木/1つめに「読み解く力の教育」ですが、多様な意見があるのがよいとの意見が出ていました。
   多様な意見があることを理解するような教育を小さいときにおこなう、ということだと思います。
   先生の意見が正しい、という教育はうまくいかないと思います。
   先生に頼らないのなら、生徒の中に多様な意見があるということを、教えなければなりません。
   そういう意味でディベートを取り入れることが重要だと思います。
   読み解くのは受信するということだと思いますが、それだけではだめで
   自分が伝える立場だったらどうか、
   意見があったらどうなのかと、常にそういう関係性の中で生まれることを
   認識させるのが大事だと思います。
   日本の教育は議論する時間がないので、今のままではだめだと思います。
   2つめに、どうやって良いインフォグラフィックスを評価するか。
長尾/1948年のシャノンリーバのことで補足です。
   その時は不可だったのですが、相手に行動があることで評価できるというもの。
   その時は情報の価値が行動であることが一般に共有されていなかったということも
   含めての質問です。
高木/経済産業省は広報部署という少人数の部署があり、そこ以外の個別の課に
   広報担当はいません。自分たちがやっていることがどのように世の中に伝わり、
   どのように反応しているかを知らずにいます。
   私は自分の部署に広報担当をつくりましたが、情報は発信して終わりではないことを
   言っています。
   私がやっていることは単純で、Googleアラートというものがあり、
   クールジャパンなどの単語を登録しておくと、毎日2チャンネルから海外のものまで、
   こちらが出した情報がどう受けとめられたか、大体わかるようになっています。
   どのように伝わったかを確かめることが1つ目のステップだと思います。
   その後、その情報が実際にどのように役にたったかが大事で、どういう反応が起き、
   行動が起きたかを確かめることです。
   それを確かめる手段を行政が持っているか、それが行政にとっての課題だと思います。
   ネットでもできることだと思いますし、もっときちんと政策討論をやったら、
   投票率があがるとか、わかりやすい因果関係は想定できるので、
   それらを実験をして確かめながら、国が出すべき情報を考えていくべきだと思います。
   3つ目、インフォグラフィックスでの成功、失敗例について。
   失敗例から話します。
   無理やりインフォグラフィックスを作ろうとして過剰な装飾をする人がいます。
   分かりやすいピクトグラムなどで伝えようとしても、トイレなどではなぜか複雑な
   女性になっていたりします。
   成功した例は、みんなに伝わったかどうか確かめればいい。
   ユニバーサルデザインの、物のデザインを担当した時期がありました。
   良いユニバーサルデザインかどうかを確かめるのは難しいです。
   どこかの国で、子ども、お年寄り、障害を持った人につかってもらい、
   何人の人が使いやすいといったかで評価をするということをやっていました。
   出す側の作った論理で評価をしても仕方がないので使う側の意見をどれだけ集めたかです。
伊藤/ありがとうございました。藤代さん、何かありますか?
藤代/読みとく力の教育というのは、正解を求めることと対になっていると思います。
   いまの教育において「正解がないよね」とするのが難しい状況です。
   情報を扱うという側面からしても、正解があると考える人が多い。
   新聞記者は、何が起こったかを再現するために取材します。
   原発事故などもそうです。本当にそれは全容を明かにすることができるのかというと
   非常に難しいのです。
   ヒソヒソとやる(高木さんに耳打ち)とそれを見た人は何か意図がある、
   意味があるはずだと。でも意味がなかったりもします。
   ある事象は、意味があるかもしれないし、ないかもしれないという
   複雑な状況を伝えられるかどうかです。
   正解を求める気持ちもわからなくはないのです。正解がない、常に自分で
   判断しなければならない状況は不安定です。それに耐えていくことには、
   強靱な精神力が必要とされます。
   日常生活から政治まで、どこまで厳密に扱っていくかが問題です。
   ただ、3/11の放射能問題などでは、目の前にある野菜が安全なのか、
   検査している書いているが、検査しているのか、基準値の範囲内なのか、
   と考えることもあるでしょう。最終的にはお店を信用しつつ、
   自分の判断で買うわけでしょうが、吟味して選んで実は検査してませんでしたというのを
   引受けざるを得ない社会状況になってきています。
   スーパーの野菜問題だけに限らず、このような情報の評価は求められるし、
   自分がやっていかなければならない。ツタグラでも、それはあります。
長尾/そんな難しい話ではないですよ。
藤代/ツダグラに掲載するグラフ、インフォグラフィックスをどれを作るかで、
   情報の出し手側はある種の評価をしています。
長尾/リアクションを評価するということ?
藤代/リアクションを評価するというのは情報の出し手側の話だと思います。
   受け手側は、経済産業省はAというデータを使って欲しいのだと思っているのかもしれない、
   と読み解く教育として考えていくことも必要だと。
   経済産業省の意図に「まんまとのっかることがいいのかどうか。
   経産省側は使ってもらってなんぼなわけですから。
長尾/行動が起こるかどうかは最低限のことだからそれさえやっていない。
藤代/どの観点から話しているのか。経産省側からするともっと行動を起こしてもらうのが
   望ましいということでしょう。
長尾/考えてどうするの?
藤代/情報を判断するということです
長尾/考えてくださいとしか言っていない。考えるって、どうすること?わからない。
藤代/そんな考え方もあります
長尾/バカにされた気がする。
藤代/考えていくべきだと思っています。
長尾/それが知りたいの。
藤代/主語は、あくまで私です。私がどう思っているかということが大事。
   それが考える、ということだと思います。
長尾/すべきでなかったら、して欲しいですか?
藤代/どういう意図で質問しているか、わかりません。
   このようなやり取りを不愉快になる人もいるかもしれませんし、
   誰しもが私の考え方に賛同しないということもあります。
   でも、ここで起きているやり取りが多様な考え方があるということを示しているのでは。
長尾/わかりたいようには感じられない。
藤代/分かりたいけれど、言っていることはわからない。ということを伝えています。
長尾/受け止めているような感じがしない。
藤代/そういう感じ方もあるということです。
   それがひとりひとり、それぞれが情報を判断し、評価することだと思います。
伊藤/質問による回答は終わったので、そろそろ本題に入りたいと思います。
   お二人の話の中で繰り返し出て来ましたが、
   現在の情報社会は、混乱・曖昧・複雑といった状況になっています。
   受けとめ方は皆さんまちまちなので、それによっても更に捉える状況が変わってきます。
   政府の情報の操作があったり、何が正しいのかわからない、
   市民が彷徨っている現状があります。
   その中で市民がどのように情報に対して接していけばいいのか。
   それについてのお2人の考えを伺えますでしょうか。
   例えば、さきほどの藤代さんの話にストレスな情報が多すぎる、
   また、情報がたくさんある中で我慢することが出来るか。
   それに対する考え方や情報を発信するときに責任が伴う、責任を求めるなど、
   自分が情報を分析するリテラシーを身につける努力が必要だとか、
   いろいろなキーワードがでてきました。それを絡めてお話していただけますでしょうか。
藤代/全ての情報を一つ一つ吟味するのは、現実問題として大変だと思います。
   その時、情報判断を預けられるのがマスメディアであったり、自治体、国であったりします。
   すべて預けているのではなくて、だいたい合っているだろう、ということです。
   100%信用しなくて、「だいたい」とは100%ではありません。そういう心構えが必要です。
   裏切られたとか、本当のことを言っていないというのは、
   100%信じていることの裏返しだと思います。
   人間関係もそうです。100%信じることはリスクがすごく大きいです。
   人ですからどこか間違えているかもしれないし、嘘もあるかもしれない、
   けれどだいたい伊藤さんの言うことは信用できる、という観点の持ち方が
   僕はあっていいと思う。
   役所だから正しい、新聞だから間違いというのではなく、新聞はだいたい合っている、
   というのとは持ち方だけでだいぶ違っている。
   「だいたい」というのは情報判断をすべて預けるのではなく、
   受け手が責任の一部を引き受けるということだと思います。
伊藤/信頼できるキュレーターを見つけることが大事だということですね。
   政府、団体は自信を持って発信していればいいが、
   それが難しい状態なので、逆に市民がそれをサポートする形が必要だと思います。
   その辺りは高木さんいかがでしょうか。
高木/それは大事な話であり、メディアが大きく変化していくのと同じだと思います。
   情報を伝える手段、得る手段が限られているときにはそういうリソースを
   持っている人の情報発信力を頼っていました。
   そういう責任もメディアにはあったと思うし、一方それが正しいかを市民が
   判断することもできなかった。
   インターネットができて、いろいろな人が情報発信ができるようになりました。
   それぞれは公的ではなく個人の見方だったり、一方的で勝手な意見でもあります。
   それでもいろいろな情報が得られるようになったのが事実で、
   そうすると、それを悪く言う人がいますが、
   流れの逆戻りはできないし、新しい世界でどう生きるか考える必要があると思います。
   悪い面はあるけれどいい面もあります。
   どういう人が言っていることが正しいか考えて、twitterでも自分が信じている人を
   フォローすればいいのです。
   世の中にあらゆる情報が流れていても、選んだ人のものをウォッチしていけばいいのです。
   twitterが今そういうところにあると思います。
   そう言う面でも能力を身につけることも大事だと思います。
伊藤/先ほどの高木さんのお話の内容にありましたが、学校の中で情報を発信するための機会が
   前は少なかったと。
   今後、自分の力で自立して情報を発信する力を身につける必要があると思いました。
   また、今まで以上に、相手を信じる、信じないというその見極めが大切になると思いました。
   それがやはりコミュニケーション力であり、また、その人の人格、経歴などをふまえて
   その人の伝える情報がどこまで正しいか、それを自分の中で消化できるための力が
   必要になると思いました。
   結局は、情報は人間が自分の力で相手を見抜く力になるとも私的には思いました。
   なぜなら、情報と人間は切っても切れない存在だからですね。そのように思いました。
   今、危惧しているのは、twitterやインターネット、そういったディジタル情報が
   一人歩きすることです。
   自分の人格から離れて歩いて行き、それが本当に言いたいところから、
   別のイメージに変わってしまうことを危惧しています。
   その辺りが考慮していない。そのような人が多いと思います。
   個人的にはアナログ(face to face)とデジタルの両方の情報発信を
   バランスよく並行してやることが大切だと思います。
   最近はデジタルが進んで情報発信が便利になりましたが、そのリスクに気付いている人が
   少ないと思っています。そのあたりは、いかがでしょうか?
高木/私はtwitterとFacebookが出てきて、やっと日本でインターネット上で実名で
   議論をする文化がでてきたと思います。
   それより前に2チャンネルもありますが、同じソーシャルメディアのmixiは
   匿名で行っている人が多いです。
   それしかなかったときはインターネットは表で発言できないことを発表する場だと
   思っていた人がいます。
   子どもには教育でその点を教えるべきだと思っています。
   リアルなコミュニケーションを補完するものだと思います。
   現実世界と違う世界でアバターなどの利用もゲームならいいが、
   それが本来はインターネットの役割ではないと思っています。
   個人としての情報発信も、最近経産省でもtwitterなどを行っている人もいます。
   組織としてどう扱うかという議論があります。私は実名でやっていますが、
   そうするときちんとしたことしか書けません。
   それはそれでいいと思います。
   私が1番危険だと思っているのが、某経済産業省の役人などとアカウントを作って
   言いたい放題を書いている人です。
   本当に言いたいことを書くならそう書かなければいいと思います。
   自己顕示欲があるものだから、中途半端に行っていて、個人としての責任か、
   組織か曖昧になると思います。
   そのような情報を本当だと受け止めるべきか、そうではない扱いをすべきかは
   みんなは判断できない。そこは発信者の責任だと思っています。
藤代/実名も1つの評価だと思っていますが、匿名でも責任を持った発言をしている人も
   いると思います。情報発信、受信の話をしたときに、「だいたい合っている」という
   信頼するメディアを見つけることが大事だと話しました。
   発信側に立って考えると、受信者に信頼してもらえるような情報を発信する
   メディアになれるかが、大事になってくるということです。
   そこが考えられていないから、ブーメランであったり、
   リスクを考えずに情報発信してしまう人が多いのです。
   信頼できる情報発信者を人は求めています。
   沢山の情報の中から、このメディア、この人なら大丈夫だということを求めています。
   その一方で、自分が無責任な情報を発信していると、
   それは不十分だと思います。 それに、自分の言っていることが信頼されないのは
   悲しくないでしょうか。
   良い人間関係を結びたいなら、ソーシャルメディアだろうと、責任を持つことが必要です。
   発信と受信が分離することで当たり前のこと置き去りになっているのではないかと思っています。
伊藤/ありがとうございました。
   個人の立場、例えば、公私の区別や実名/匿名のどちらで出すとかということがあります。
   どの立場で発信をするのか、責任を持つのか、その辺りが大事だと思います。
   お2人の話を聞いてそう思いました。
   本当ならもっとディスカッションしたいのですが、残念ながら時間も迫ってきました。
   そろそろお開きにしたいと思います。お2人、ありがとうございました。(拍手)
   今日の2時間長い間、手話通訳していただいた方、
   パソコン通訳をしていただいた方ありがとうございました。(拍手)
   終わりにしたいと思います。
   次回は池田勇人さんをお招きして、ソーシャルメディアの話を伺いたいと思っています。
   アンケートがありますので、受付に出してお帰りください。
   今日の内容はホームページに掲載する予定ですので、
   もし読みたい方はIGBのホームページを見てください。今日はありがとうございました。

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