4月定例会報告「専門通訳の課題を知ろう!」
4/19に開催した定例会の報告です。
◆4/19 4月定例会のお知らせ(専門通訳の課題を知ろう!)
◆MICかながわ岩元陽子さんの資料
岩元 陽子さんは、以下の点を強調されていました。
・外国語の医療通訳は、養成・認定・派遣などの全国的な制度が未整備で、少数の地域や医療機関でバラバラに取り組まれているのが実情である。
・制度整備にあたっては、地域の外国人住民が利用しやすい通訳制度や、少数言語への配慮が望まれる。
◆高山亨太さんの資料
◆高山 亨太さん 補足資料
全米手話通訳士協会(RID)では、様々な実践現場におけるスタンダードを公表しており、手話通訳士の考え方や判断の基準をまとめています。医療現場と精神保健の現場の手話通訳はまったく別個の考え方として捉えています。
アメリカで手話通訳士が注目され、専門職として認識されるようになってきたきっかけである障害を持つアメリカ人法(ADA)でも、手話通訳提供に関する病院側の義務、対応の仕方について資料を公表しています。
INTERPRETING IN MENTAL HEALTH SETTINGS:Health Care Settings SPP (1)
INTERPRETING IN MENTAL HEALTH SETTINGS:Health Care Settings SPP (2)
ADA Business BRIEF
高山 亨太さんは、以下の点をアメリカの事例を踏まえつつ、医療分野における手話通訳の課題を挙げていました。
・ろう・難聴者の場合「障害者」という側面があり、外国人の医療通訳とは違うややこしさがある
・福祉の枠組みで、ろう者が地域で手話通訳者を育てるという養成システムがはたして新しい専門職養成時代の流れにあっていると言えるのか。
◆まとめ
医療現場での音声通訳と手話通訳には以下の3点で共通する面が有る。
・専門分野の通訳に必要な専門的知識を体系的に学ぶ場がない/自分で調べる方法を学ぶ場がない
・ニュアンスを伝えるための高度な通訳技術を養成する体制がない
・通訳者に対する報酬が職業としてやって行くには不十分である
その一方で相違点もある。
・音声通訳は少数派言語が沢山あり、通訳者の確保が難しい
・医療情報格差(健康格差)解消のためには、ろう者のヘルスリテラシー養成が課題
★6月か7月の下旬頃に、今回の内容を踏まえ、更に詳細について議論する場を設けたいと考えています。時間枠(3時間程度)を拡充し、定員も増員して開催する予定です。