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【ご報告】筑波大学附属聴覚特別支援学校 高等部普通科1年 校内宿泊防災学習にて講演を行いました


防災学習講演として、防災士および聴覚障害者の視点から考えて大切なことをお話しするようIGBインクルーシブ防災プロジェクトにご依頼いただき、IGBのメンバーで防災士・防災介助士でもあり自身の長男が先天性高度難聴の尾庭恵子が講演いたしました。

講演テーマ:「その時に備えて必要なこと〜『まさか』は『いつか』」

時間:令和4年9月16日(金)19時半〜20時半

対象:高等部普通科1年生25名(男子13名、女子12名)、先生6名

【訓練内容】:停電訓練、断水訓練、非常食体験、洗髪体験、就寝訓練、震災学習など

【講演内容】

*災害時に困ること(聴覚障害関係なく)

*自助、共助、公助のなかでの自助と共助の重要性

*聴覚障害者を踏まえた自助の工夫

*ともに助かることをイメージしてもらうためのワーク

*要支援者だけれど、支援者にもなりえること

*知っているだけでできることがたくさんある。まずはいろいろなことに関心をもつこと、知ること、想像すること、思いやること、行動することの大切さ、など

 

自分ごととして具体的な行動を見つけるつもりで60分を過ごしてほしい、ということを伝えたうえで、助かるための防災、生き抜くための防災、助けるための防災について講演しました。

 

生徒たちは非常に積極的で、一度体験してみることで、実際の避難所生活が想像できたと思います。防災を自分ごととしてとらえ「自分だったらどうするか、自分には何ができるか」をしっかりと考えることができ、非常にうれしく思いました。

講演中にいくつか印象的な出来事があり、体育館での訓練中に人工内耳の電池がなくなってしまった生徒に対し、別の生徒が「実際被災した時もそういう状況はありえるから、本番さながらの練習になるね」という発言や、また別の生徒の「僕が助けるよ」といった声掛けがあり、彼らの機転や対応力に感動しました。

また聴覚障害は見た目では分かりにくい障害でもあり、補聴器や人工内耳をつけていればよいのでは?という誤解もあるという点に触れ、「自らその誤解をとかないといけない」と発言した生徒もいました。

大人になった時に、IGBのような組織などに所属し発信する側になり、社会に理解を深めより安心して暮らせる状況を自ら作っていける人にぜひなってほしいということをお伝えしました。

最後には、それぞれが考えた具体的な行動を一人ずつ板書してもらいました。

 

短い時間でしたが、一緒に学習させていただきありがとうございました。

初めての宿泊防災企画ということで、事前に多くのことをご準備され、また当日も6名の先生方がきめ細やかな配慮の中で運営していただきました。

交代で通訳をつとめてくださった先生方、PCの設定など準備をしてくださった先生方にも、あらためて御礼申し上げます。

聴者(聴こえる人)に、聴覚障害者に対して配慮を伝えるだけでなく防災意識を高めてもらう活動も今後していきたいと思いました。

生徒たちの貴重な時間を預けていただき、感謝いたします。

 

(文責:IGBインクルーシブ防災プロジェクトメンバー・防災士・防災介助士 尾庭恵子)

この記事のリンク | カテゴリ: お知らせ, インクルーシブ防災, 講演・セミナー実施報告
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