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Information Gap Buster 特定非営利活動法人

【ご報告】ヤングケアラーを誰一人取り残さない包括した支援策を厚労省に提言


2021年3月17日(水)に、ヤングケアラー(*1)支援に向けた厚生労働省と文部科学省の共同によるプロジェクトチーム(PT)の立ち上げに先立ち、「障害のある子どものきょうだい(*2)」や「聴覚障害がある家族のいる子どもたち」も含めてひとりも取り残さず支援いただけるよう、山本博司厚生労働副大臣に提言書を提出いたしました。

*1)ヤングケアラー:法令上の定義はありませんが、一般に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている児童とされています。 (厚生労働省Webサイトより抜粋)
*2)きょうだい:男女上下のない「兄弟姉妹」を表す言葉です。


先日、日本初の埼玉県ケアラー条例の支援計画案についてパブリックコメントの募集(2021年2月4日締め切り)がありましたが、支援計画案では「きょうだい」や「聴覚障がい」について触れられていませんでした。しかし、非常に重要な課題です。

本提言では、ヤングケアラー支援に対して、以下のように要望いたしました。

【要望】

  • 「ヤングケアラー」がひとりも取り残されることなく支援につながることを要望いたします。特にヤングケアラー支援が語られる際に、「きょうだい」や「聴覚障害がある家族のいる子どもたち」が忘れられがちですが、他の障害種・病気等を含めまして、谷間のない支援を要望いたします。

  • ヤングケアラー当事者(成人した経験者を含む)、団体との連携、そして、当事者や団体によるピアサポート・セルフヘルプを含めた支援活動の公的事業化を要望いたします。

  • 支援の入口として、学校、地域、自治体、社協等でヤングケアラーを発見しやすい体制作り、また、適切な相談に結びつきやすい体制作りを要望いたします。

  • 18歳以上の若者ケアラー支援も要望いたします。

また、ヤングケアラー支援策に関して、以下のように提案いたしました。

【提案】

  • 支援策をおまとめになる際には、多様な当事者、支援団体・有識者へのヒアリングをお願いいたします。

  • オンライン等を活用して、個々のヤングケアラーが自己のニーズにマッチした適切な相談先、ロールモデルに結びつくための支援及び受け皿となるヤングケアラー支援者の養成をお願いいたします。

  • 政府広報や研修事業などを介して、国民、特にヤングケアラー当事者への情報提供と相談へのエンパワメント、周囲の大人への啓発、そして、専門家である療育・教育、福祉、医療関係者関係者の理解を推進してくださいますようお願いいたします。


【藤木和子 家族プロジェクト担当理事のコメント】
本要望書提出後、第1回目の「ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチーム」を傍聴いたしました。冒頭で山本厚生労働副大臣は「ヤングケアラーの過度な負担に対し支援が必要であるが、本人や家族にも自覚がなく問題が表面化しにくい。青春は一度きり、スピード感を持って取り組んでいきたい」、丹羽文部副大臣は「安心して学校生活が送れるように、教育を受けられるように。学校現場などで早期に発見することも重要。」と挨拶されました。その後の有識者ヒアリングで、ヤングケアラー調査、支援に取り組んでこられた澁谷智子先生、田中悠美子先生が繰り返しお話されていたのは「まずは話をていねいにきくことから」、だが「なかなか自分からは言えない」ということでした。正にその通りだと思います。

私自身は、聞こえない弟と育ったSODAです。障害当事者、きょうだい、親、障害のある親をもつ子ども等に必要な支援が届き、誰もが一度きりの人生を大切にされ、障害の有無やケアされる側とケアをする側で分けられることなく、みんなで生きていける社会を望みます。そのためには、大人になったヤングケアラー経験者や障害当事者からの発信、周囲の大人の声かけやよりそい、相談することで自分の状況は良くなるんだという社会や制度への信頼と希望が大事だと思います。本日の内容は非常に大きな一歩だと感じました。

第1回目の「ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチーム」の共同議長、山本厚生労働副大臣と丹波文部科学副大臣

第1回目の「ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチーム」の共同議長、山本厚生労働副大臣と丹波文部科学副大臣

 

要望書はこちらからご覧ください。

要望書はこちらからご覧ください。


【連絡先】
特定非営利活動法人インフォメーションギャップバスター
家族プロジェクト担当理事:藤木 和子
メールアドレス:fujiki@infogapbuster.org

【団体について】
当団体は東京都、神奈川県を中心に全国各地で活動する横浜市港北区の「コミュニケーションバリア」という社会問題の解決をはかる団体です。また、聴覚障害当事者・家族・支援者を中心に構成されており、聴覚障害のあるきょうだいによる「聞こえないきょうだいをもつSODAソーダの会」、聴覚障害のある親をもつ人で構成される「J-CODA」とも連携しております。

「家族をみんなでカンガエルーシンポジウム」(2021年1月30日、上記2団体等と共催)では、聴覚障害のある息子を育てている内閣府大臣政務官の今井絵理子氏、聴覚障害のある姉・弟と育った大学院生の丸田健太郎氏、聴覚障害のある両親をもつライターの五十嵐大氏が登壇し、関係者を含め428名もの参加がありました。ヤングケアラーを経験した丸田氏、五十嵐氏からは、幼少期の周囲の大人の無理解、支援者(“通訳”)を空気のように求められたこと、そして、学校の先生からの声掛け、同じ立場の仲間に出会い救われた経験などが語られました。参加者全員で支援の必要性とともに、支援の入口と多様な背景やニーズにマッチした適切な支援の重要性を認識しました。当団体の取り組みが、今後のヤングケアラー支援に役に立てるのではないかと考え、本提言をいたしました。

【参考】家族をみんなでカンガエルーシンポジウム報告(当団体Webサイト)

【レポート】家族をみんなでカンガエルーシンポジウム(2021/1/30開催)【詳細版】

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