オンライン署名募集:電話リレーサービスの【24時間365日対応/公的サービス化】要望
●電話リレーサービスが命を救ってくれました!
そう語ったのは2017年6月3日夜に、愛知県西尾市一色町沖の三河湾で転覆したプレジャーボートにつかまりながら「電話リレーサービス」を介して救命要請を出した46歳の聴覚障害を持つ男性です。
ことの顛末の詳細は以下のブログに記載していますので、関心のある方はご覧ください。
◆「コミュニケーションの障壁」により命を失うことになりかねない事件
ただし現在の「電話リレーサービス」は日本財団の援助によるものなので【24時間365日対応】ではありません。もしサービス時間対象外だったら、とゾッとします。
また、緊急電話も本来は対象外だったのですが、特別に対応していただきました。このような制約を撤廃するためには国による【公的サービス化】が必要です!
全ての人が安心して電話を使うことができるように是非ともオンライン署名にご協力をよろしくお願いいたします。
(2017/6/10 5:00追記)
●あの時電話ができたら命を救うことができたのに…
あなたの大切な人、例えば夫が深夜に倒れて、すぐに救急車を呼ばないといけないのに、耳にハンディがあるために電話をかけることができなかったらどうしますか?
耳にハンディがある人は、一刻も早く連絡しないといけない時に、電話ができなくて、大切な人を亡くしてしまったり、一生に一度のチャンスを逃してしまったりすることがよくあります。実際に電話ができなくて、夫を亡くしたり、才能があるにも関わらず、電話ができないだけのために、定年まで嘱託だったりするような例はたくさんあります。
●耳にハンディを持つ人を支援する「電話リレーサービス」
このような事態をなくすために、耳にハンディを持つ人を支援する『電話リレーサービス』が、最近、世界各国で注目されはじめています。手話や文字を通訳オペレーターに伝えると、相手に音声で電話してくれるサービスです。逆に、相手から音声で話してきた内容を、手話や文字で伝えてくれる必要不可欠なサービスです。
◆図 電話リレーサービスの概要(クリックすると大きな図を表示します)
●日本の電話リレーサービスは24時間365日に未対応
日本での電話リレーサービスは、民間企業・団体がサービスを担っていますが、次のような制約があり、いつでもどこでもだれでも使える状態になっていません。
・会員料金を支払わないと、サービスを受けることができない
・営業時間外(深夜)にサービスを受けることができない
・通訳オペレーター不足で、すぐに電話できないことがある
また、日本では、その運営は日本財団の助成や一部の耳にハンディを持つ会員の費用負担などによってかろうじて成り立っているため、今後も電話リレーサービスを健全に維持できる保証がありません。
●10カ国以上の国では電話リレーサービスが24時間365日対応済み
アメリカでは、ADA 法という障害者差別を禁止する法律によって、電話会社が電話リレーサービスを用意することが義務づけられています。また、スウェーデン、ドイツ、イギリス、スイス、フランス、ノルウェー、韓国、タイ、オーストラリアなどの10カ国以上でも、電話リレーサービスは公的サービスとして実施されており、24時間365日対応済みとなっていて、日本が遅れている状態になっています。
●100 人に1 人は電話ができません
日本には、耳にハンディを持つ人が100万人以上います。約100人に1人の計算です。耳にハンディを持っている人は、電話ができません。次のようなときには電話で連絡できないのです。生命に関わる問題だけでなく、日常生活にも支障をきたします。
・ 急病で救急車を呼びたいとき
・緊急に人に確認したいことがあるとき
・さっき降りたタクシーに、忘れものをしてしまったとき
・夜間にガスが出なくなり、風呂に入れないとき
・宅急便の再配達をお願いしたいとき
耳にハンディを持つ人々は電話ができないために、多くの機会を損失し、多くの利便性を損ない、助かったはずの命を落としたり、社会進出を妨げたりする要因にもなっています。逆に、飲食店、ホテルなどの様々な民間業者にとっても電話ができない人からの予約を受け付けられず、営業機会を多く失っています。つまり、耳にハンディを持つ人々だけでなく、民間企業や社会全体にも影響がある問題なのです。
●人をつなげる「電話リレーサービス」
電話リレーサービスを実際に使ってみた方の声を紹介します。
これまではメールが主な連絡手段でしたが、メールだと解決するまで時間がかかりますし、急な用件は人に電話を頼まなくてはなりません。電話リレーサービスを使うと、飲食店や病院、ホテルなどへの予約変更、キャンセル、忘れ物の取り置き、工事業者との当日連絡など、急ぎの用件でも自分で連絡して解決できるので本当に助かっています。電話リレーサービスのおかげで行動範囲が広がり、生活がより豊かになることを実感しています。(M.M さん)
また、NPO法人 インフォメーションギャップバスターのメンバーも、日本財団実施の電話リレー試験モニターに参加し、電話リレーサービスによる生活の質の向上を身をもって実感しました。
●署名活動にむけて
先述したとおり、日本では電話リレーサービスが公的サービスになっておらず、24時間365日対応していません。そこで、NPO 法人インフォメーションギャップバスターは、全ての方に公平に電話を使っていただくためにも、電話を提供する企業が電話リレーサービスを提供することを義務化することが必要であると考えています。また、費用は現在の地域格差(通信状況)解消ためのユニバーサルサービス制度と同様の制度を作っていただき、利用者に1円負担していただくことで実現可能であると試算結果があります。(日本財団にて試算)
そこで、電話リレーサービス義務化することを要望する署名活動を開始しました。なお、NPO法人 インフォメーションギャップバスターは、電話リレーサービス実施企業・団体や、聴覚障害者関連団体などとはまったく利害関係を持たず、中立した立場で署名活動をおこなっています。
今回、みなさまに署名していただくことで、電話事業を統括している総務省に対して、電話リレーサービスを必要としている人が多くいることを訴え、さらに、電話会社・携帯会社が自らが電話リレーサービスの運営を担うことを義務づけるよう要望します。何らかの事情により、Webで署名できない場合、「署名用紙」で署名していただくこともできます。
●オンライン署名はこちらから↓
オンライン署名は以下のChange.orgで受け付けています。氏名とEメールアドレスと郵便番号で署名ができます。みなさまの署名とシェアのご協力をお願いいたします。
【補足説明】
・Change.orgは社会を変えるためのオンライン署名などの社会変革活動支援を行う世界でも有名な社会的企業です。
・アカウントを作成する必要はありません。署名情報は非公開設定が可能です。
・必須入力項目は、(1)氏名(2)Eメールアドレス(3)郵便番号です。
・bit.lyは、短縮アドレスサービスです。
iPhoneでのオンライン署名の例です。非公開署名にしたい場合は、右側の画像のように「署名をChange.orgで公開する」をクリックすればOKです。提案者のみに公開されます。
※なお署名用紙による署名を2014/02/28から受付開始しました。詳細はこちらを参照ください。
是非ともこれを機会に電話会社や携帯会社などで、電話リレーサービスが正式にスタートすることを心から願ってやみません。
【修正履歴】
・2014/2/17 本ページ公開
・2014/2/18 タイの電話リレーサービスの動画を追記
・2014/2/19 日本財団の「電話リレーサービス試行」、非公開署名の例を追記
・2014/2/23 内容を分かりやすく整理
・2014/2/28 署名用紙による署名を追記
・2014/3/1 電話リレーが必要なケース、公的支援のメリットを追記
・2015/7/19 最新の情報に更新
・2017/6/10 6/3海難事件を元に修正