【声明】東京都知事選挙の政見放送における 問題点に関して
2024年7月7日(日)に東京都知事選挙の投票が行われます。この選挙にあたって、政見放送などの選挙活動が行われていますが、公職選挙法では、公平に情報を伝える必要性の観点から、聴覚障害者向けに手話通訳・字幕をつけることを認めております。しかし、その実施において様々な問題点が露呈しました。
かねてから各選挙において類似の問題点は見られましたが、今回その問題点が顕著になったこともあり、NPO法人インフォメーションギャップバスターはこの事態を重視し、下記の通り声明を発表いたしました。
2024年7月6日
東京都知事選挙の政見放送における問題点に関する声明
NPO法人インフォメーションギャップバスター
理事長 伊藤芳浩
私たちNPO法人インフォメーションギャップバスターは、2024年に行われている東京都知事選挙の政見放送において浮き彫りになった諸問題について、深刻な懸念を表明するとともに、早急な改善を求めます。
1. 手話通訳の重要性に関する教育と意識啓発の推進
政見放送における手話通訳の重要性や役割について、立候補者の理解が不十分であることが明らかになりました。以下の取り組みを要請します。
- 立候補予定者説明会などにおいて、立候補者に対する手話通訳の意義と重要性に関する事前説明の徹底
- 国民に対する政見放送における手話通訳の必要性に関する啓発活動の展開
2. 手話通訳の安全確保
今回の政見放送でも、一部の候補者による不適切な行為が見られました。手話通訳が安心して業務を遂行できる環境を整備するため、以下の対策を要望します。
- 政見放送の撮影前に、立候補者に対して、手話通訳の重要性と適切な対応に関する事前説明の徹底
- 候補者と手話通訳を別室で撮影し画面上でワイプ表示する方式の検討
3. 聴覚障害者の参政権保障
手話通訳は、聴覚障害者の参政権を保障するために不可欠なものです。全ての有権者が平等に政治参加できる環境の整備は、民主主義の根幹を成すものです。以下の点を強調いたします。
- 政見放送で手話通訳をすることが定められている「手話通訳士」は、聴覚障害者に情報を伝える専門職であり、演出者ではないことの認識
- 聴覚障害者が候補者の政策を正確に理解し、投票する権利を保障することの重要性
私たちは、これらの問題に対する適切な対応を関係機関に求めます。今後の選挙において、聴覚障害者を含むすべての市民に、参政権が保障される体制が構築されることを切に願います。