【ご報告】NHKへ要望書を提出いたしました:緊急時の手話ニュース放映要望
この度の令和6年能登半島地震により被害を受けた皆さまへ、心よりお見舞いを申し上げます。
また、羽田空港で発生した日本航空と海上保安庁の航空機の衝突事故で亡くなられた方々に、深く哀悼の意を表します。
さて、2024年1月1日(月)18:55からNHK Eテレで放映予定だった手話ニュースが放送中止になり、きこえない人にとって非常に深刻な事態が発生しました。
NPO法人インフォメーションギャップバスターでは、手話ニュースについて以下のように考えています。
- 情報への平等なアクセス、文化的配慮、そして公共の安全の観点から極めて重要です。
- 手話を第一言語とするきこえない人にとって不可欠な情報源であり、これを放送しないことは彼らの生活の質を低下させ、安全性を損なうことにつながります。
- 公共放送の使命として放映は不可欠であり、特に緊急速報時の「命を守る行動」の呼びかけにおいてはなおさらです。
このため、今回の手話ニュースの中止に関連して、NHKに対し以下の要望を提出いたしました。
- 緊急事態においても、手話ニュースを中止せず、字幕と共に放映してください
- 緊急事態における放送対応について、手話ニュースの取り扱いを含め、当事者を交えて再検討してください
提出した要望書は下記の通りです。
今回の要望に至る背景は下記の通りです。
- 手話ニュースで使用されている日本手話は独自の文法体系を持ち、その文化やコミュニティにとって特別な意味があります。日本手話は手だけでなく、眉、口、頬などの文法的要素も活用してニュアンスを伝えることができ、情報伝達だけでなく、文化的ニーズにも応える重要な手段です。
- 字幕は情報提供の一つの手段ですが、日本手話を第一言語とする方々にとっては、異なる言語を解読する必要があり、完全な代替にはなりません。字幕は日本語を用いているため、日本手話を第一言語とする方々には異なる言語を解読する必要があります。これは外国語ニュースを字幕で見る場合に似ており、完全に理解するのが難しいこともあります。字幕の内容を理解するのが困難な方は一定数存在します。
- 手話ニュースのような多様なアクセス手段の維持は、情報へのアクセスの平等性を考慮する上で極めて重要と考えています。
(以下、1/18追記)
NHKより1/15付きで回答をいただきました。NPO法人インフォメーションギャップバスターは、今後も、情報へのアクセスの平等性を求めて、関係者と連携して、建設的対話を継続してまいります。