【お知らせ】『マイノリティ・マーケティング 〜少数者が社会を変える〜』を筑摩書房より出版
NPO法人インフォメーションギャップバスター 理事長 伊藤芳浩はこのほど著書『マイノリティ・マーケティング 〜少数者が社会を変える〜』を3/9に筑摩書房より、出版いたしました。
マイノリティ(minority)という単語のなかに含まれる「マイナー(minor)」という言葉には、「あまり重要ではない 」という意味があります。それゆえマイノリティは「社会的に重要ではない」と判断されがちで、不当な扱いを受けたり、不利益を被っていたりします 。
本書ではマジョリティ(多数者)中心の社会で、差別や偏見などの社会的問題を解決できずに困難さを感じているマイノリティが、マーケティングの手法を用いてその社会的問題を解決するヒントを提起するものです。
<本書で紹介する解決事例>
- 聴覚障害者が利用できる「電話リレーサービス」の普及啓発
- オリンピック・パラリンピック中継への手話通訳付与
- 行政のパブリックコメントに当事者がアクセスできる仕組みづくり
自助・共助だけでは解決しえないこれらの課題に、聴覚障害を持つ著者は、アドボカシー(広報活動)、エンゲージメント(世論形成)、リコメンデーション(要望活動)の3つの観点 で「公助」実現に向け動き出し、その実践過程を詳しく解説しています。認定NPO法人フローレンス会長の駒崎弘樹氏との特別対談 では、障害の有無を超えた社会変革への熱いエナジーを感じることができます。
マイノリティが日々感じていることや世界観、そして障害者のみならず、さまざまなマイノリティへのエールが結実した一冊です。
Akane’s Kitchen ©️桐山茜(お絵かきムービークリエイター)HP▶︎https://akanes-kitchen.art/
羽生田 慶介氏による推薦コメント
本書は、マーケティング手法で社会課題を解決する方法論を丹念に整理し、それを再現可能なフレームワークに沿って豊富な事例とともに解説している優れた手引書です。政府・企業・NPO/NGOなど、社会課題解決の行動主体となるすべての立場の人に参考になる良書 と言えるでしょう。
実は、経済・産業のルールメイキングも、少人数による論点提起やビジョン提示から始まることが少なくありません。国内の規制緩和だけでなく、国際条約ですらが、それぞれの枠組みにおける「マイノリティ」の創意工夫によって、少しずつ多くの人の賛同が集まった結果であることが多いのです。企業での新規事業の提案 も同じではないでしょうか。
すなわち、筆者が示している「マイノリティ・マーケティング」の方法論は、社会課題解決のための「公助」を実現することはもちろん、ビジネスにおける新たな戦い方としても多くのヒントが含まれている ものです。
マイノリティが生きやすい社会づくりを進めることで、企業は多くの事業機会に出会う ことでしょう。本書から具体的な方法論を学び、一歩目を踏み出してください。
推薦者プロフィール
羽生田 慶介(はにゅうだ・けいすけ)
株式会社オウルズコンサルティンググループ 代表取締役CEO
経済産業省、キヤノン、A.T. カーニー、デロイトトーマツコンサルティング執行役員を経て現職。政府・ビジネス・NPO/NGOの全セクターにて社会課題解決を推進。
経済産業省大臣官房臨時専門アドバイザー|一般社団法人エシカル協会 理事|認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン 理事|認定NPO法人ACE 理事|一般社団法人グラミン日本 顧問|多摩大学大学院ルール形成戦略研究所 副所長/客員教授。内閣府「国家標準戦略検討委員会」座長、経済産業省「Society5.0標準化推進委員会」委員など、政府政策検討への参画多数。
著書『すべての企業人のための ビジネスと人権入門』(日経BP)他、執筆・メディア発信多数。Forbes JAPAN 『日本のルールメーカー30人』 選出 (2022年)。
書誌情報
書名:マイノリティ・マーケティング 〜少数者が社会を変える〜 著者:伊藤芳浩 発行:筑摩書房 ISBN978-4-480-07540-6 本体価格 990円(税込) |
著者プロフィール
伊藤 芳浩(いとう・よしひろ)
1970年生まれ。岐阜県生まれで手話を第一言語とするろう者。大手総合電機メーカーにてデジタルマーケティングなどを担当する傍ら、有志たちと共にコミュニケーションバリアフリーを推進するNPO法人インフォメーションギャップバスター(IGB)を設立。電話リレーサービス法制化や、オリンピック・パラリンピック開閉会式放映での手話通訳導入などに尽力し、障害者の生きづらさがある人に関する取り組みなどで活躍する団体に授与される第6回糸賀一雄記念未来賞を2020年11月に団体として受賞。