【ご報告】自由民主党ユニバーサル社会推進議員連盟総会出席
「自由民主党ユニバーサル社会推進議員連盟」総会が2024年6月18日(火)に自由民主党本部9階901号室で開催されました。NPOインフォメーションギャップバスター(IGB)からは、加盟団体のDPI日本会議の特別常任委員である伊藤IGB理事長が出席いたしました。
石破茂会長のご挨拶の後、各省庁からバリアフリー・ユニバーサルデザイン推進政策の予算状況の報告があり、内閣府からは改正障害者差別解消法の施行について、下記を実施したとの説明がありました。
改正障害者差別解消法の円滑な施行に関する活動として、下記を実施したとの報告がありました。
- 障害者・事業者等からの相談に対して適切な相談窓口に「つなぐ役割」を担う相談窓口の実施
- 国や地方自治体における相談対応を担う人材の育成のための相談対応マニュアルの更なる質の向上
- 地域の事業者に対する改正障害者差別解消法の説明会の実施 など
DPI日本会議からは、障害者基本法の改正、学校のバリアフリー推進などの要望を出しました。(詳細は、DPI日本会議のWebサイトをご参照ください)IGBとしては、下記の通り、要望を提出いたしました。
その後、各障害者団体からの要望説明がされ、伊藤理事長は、「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法の具体的実施について、障害者当事者団体を含めて議論を進めていただきたい」と発言いたしました。
また、他の障害者団体からは、障害者権利条約の総括所見を踏まえて、関連法律の見直しや障害者政策委員会における実施状況のフォローアップなどを進める必要があるといった意見が出されました。
DPI日本会議から提出した要望のうち、IGB関連部分を抜粋
- 学校のバリアフリー
初中等教育機関において、学習の機会を保障する合理的配慮としての情報保障は、地域によって大きな格差があるのが現状で、より良い情報環境を求めて引越しする家族も多くいるため、負担が大きいことが課題になっています。情報保障を拡充するために、有識者が支援員の形で参画できるようにしてください。それだけでなく、インクルーシブ教育の観点からも、一般教員養成課程においても、聴覚障害やコミュニケーション方法について学ぶ機会を設けていただくようにしてください。
- 電話リレーサービスの一層の普及啓発を
2021年度から公共インフラとして電話リレーサービスが始まりましたが、一部の金融機関にて、未対応の状況が見られるため、より一層の普及啓発をお願いいたします。
銀行においては、電話リレーサービスを用いた連絡に対応している場合、マニュアル等を整備の上、職員へ周知しているのが46.2%となっており、電話リレーサービスによる本人確認を認めているにもかかわらず、職員が関知していないケースがあり、より一層の周知をお願いします。
保険会社においては、電話リレーサービスに対応している生命保険会社は、59.5%、損害保険会社は、81.8%となっており、未対応の会社が多いため、より一層の周知をお願いいたします。
- 放送における情報アクセシビリティ向上
総務省が定めている「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」では、技術的に字幕を付けることができない放送番組(例:現在のところ複数人が同時に会話を行う生放送番組)は、字幕付与目標の対象外になっていますが、今後はこの部分にも対応していただけるように推進お願いします。また、手話放送が数%に止まっているため、さらなる普及をお願いします。
- 福祉避難所における情報アクセシビリティ向上
内閣府が定めている「福祉避難所設置・運営に関するガイドライン」には、実施にあたってのポイント・留意点として「福祉避難所において、要援護者のニーズを把握し、適切に対応できるよう手話通訳者、要約筆記者、点訳ボランティア、音訳ボランティア等の人材の確保や福祉用具等の確保を図る」という記述があるため、それに従って、各地方公共団体において確認を進めていただくようお願いします。
- 職場における介助助成の拡充
障害者介助等助成金が初回の介助委嘱から10年までしか利用できないので、在職中、ずっと介助を必要とする障害者の職場定着が困難になっています。利用の条件緩和、もしくは、延長を検討してください。
人材開発支援助成金において、手話通訳・文字通訳などの介助に必要な費用も助成の対象に含めていただけるよう検討をお願いいたします。
- 文化・芸術分野における情報アクセシビリティの向上を
邦画の字幕付与率が13.4%で低い状況であり、また、字幕がついても上映日時は限定的なのが現状です。日本映画製作への支援・国際共同製作映画への支援に、バリアフリー字幕・音声ガイドの制作・多言語字幕制作への支援が、 映画本体に上限100万円を加算申請できるようになっているが、映画本体のセットとなっているため、助成を受けづらくなっている。バリアフリー字幕・音声ガイドの制作・多言語字幕制作の単独での申請ができるようにご検討をお願いします。また、各劇場において、積極的に字幕付きの映画を放映するように啓発をお願いいたします。
文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)のバリアフリー・多言語対応に係る助成対象経費などで、観劇サポートの助成金を申請する仕組みになっているが、劇とのセットになっているため、助成金を受けづらくなっている。観劇サポート単独での助成金の申請ができるようにしてください。
また、美術鑑賞、コンサートにおいても情報保障のための助成金の創設を検討していただけるようお願いいたします。