【お知らせ】障害者雇用・労働 ハラスメント・差別実態調査結果公開
NPO法人インフォメーションギャップバスターは、たくさんの聴覚障害者から、
- 働いているところで差別を受けた
- コミュニケーションがスムーズにいくためにお願いをしても聞いてくれない
- 「耳が聞こえないから」という理由で、勝手に仕事を減らされたり、仕事ができないと決めつけられる
- きちんと働いているのに、出世ができない
- 耳が聞こえないことで、いやがらせをされる
など、たくさんの相談を受けてきました。
そこで、私たちは、ハラスメント(いやがらせ)や差別を受けたら、どうしたらいいのか、どう動いたらいいのか、どこに相談したらいいのか、などが書かれているパンフレットを作ろうと考えました。そのためには、いろんな問題点を把握したり、解決する方法を考えたりすることが必要になってきます。
このパンフレットは、働いている方々の味方になる弁護士や、社会保険労務士などと一緒に作成し、完成したパンフレットは、無料で配ったり、Webサイトからダウンロードできるようにする予定です。
このパンフレットを作成するにあたって、2023/09/27〜2023/11/15までの期間、オンライン形式で、働いている聴覚障害者を対象にハラスメントや差別の経験について調査するアンケートを実施した結果、106名から回答をいただいた。ご協力の皆さまには心から御礼を申し上げます。
本調査の結果、明るみになった傾向としては、下記の通りです。
【総括】
- ハラスメント・差別を受けた人の7割程度が解決に至っていないと回答しており、解決に向けて至急対策を進めていく必要がある。
- 「ハラスメント・差別」の1位は、「精神的・身体的な嫌がらせ(32.9%)」。このケースは、明らかにハラスメントに相当する。聴覚障害者に限らず、従業員全体に対してのハラスメント・差別防止のための啓発教育を企業に対して進めていく必要がある。
- 「ハラスメント・差別」の2位は、「組織の対応不足(合理的配慮不十分)(26.7%)」。このケースは、意図的にハラスメントを行っているかどうか、建設的な対話がなされているかどうかなどの発生背景の詳細確認が必要であり、パンフレットなどで、対応指針を示してく必要がある。
- ハラスメント・差別は、社内で解決した方が83.3%もいるため、基本的に相談先は、社内→社外のような形が望ましい。
- ハラスメント・差別の記録手段は、デジタル手段が41.2%もいることから、デジタル手段の効率的活用方法を集めて、パンフレットなどで、示していく必要がある。
以下、主なトピックスは下記の通りです。
【主なトピックス】
- コミュニケーションをする時に困っていることとして、①組織の対応不足(37.2%) ②言語・コミュニケーションの問題(33.8%)の2点で回答の7割以上を占めた。
- ハラスメント・差別を受けた方は、73.7%(70名)と多くの方が経験していた。
- ハラスメント・差別の主な内容として、①精神的・身体的な嫌がらせ(32.9%) ②組織の対応不足(合理的配慮不十分)(26.7%)の2点で回答の6割程度を占めた。
- ハラスメント・差別を受けた方の68.4%が未解決・その他と回答しており、解決できないケースが多く見受けられた。
- ハラスメント・差別を受けた方の主な解決方法としては、①社内(本人同士・上司経由を除く)で解決(44.4%) ②本人同士で解決(22.2%)③上司経由で解決(16.7%)が挙げられていた。
- ハラスメント・差別の証拠を集めた方法としては、①デジタル手段で記録(41.2%) ②証言(23.5%)が挙げられていた。
- 対応や解決で困ったこととしては、①組織の対応不足(28.1%) ②情報・対応知識不足(15.8%)が挙げられていた。
今後は、組織の対応が不十分な場合(合理的配慮が不十分である場合)、どのような対応を行い、円満に解決できるか、また、万が一、ハラスメント・差別と思われるケースが発生した場合、どのように証拠を集めておくか、また、それをどこへ相談していくかといったことなどの指針をまとめたパンフレットを作成する予定です。
詳細内容については、下記を参照ください。
パンフレットを作成するにあたり、作成資金を必要としており、GiveOneという寄付サイトにて、寄付を募っています。
寄付控除の対象となっていますので、是非ともご検討ください。ご協力をよろしくお願いいたします。