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Information Gap Buster 特定非営利活動法人

電話リレーサービスとは?

電話リレーサービスとは、きこえない・きこえにくい人ときこえる人を、オペレーターが “手話や文字” と “音声” を通訳することにより、電話で即時双方向につなぐサービスです。電話は「手続き」「問い合わせ」などにより社会にアクセスできるとても大切な公共インフラです。

私たちが当たり前のように普段の生活で使っているものの中に、電気、ガス、水道、交通、通信があります。いずれもみんなが最低限の生活を営むのに必要不可欠な物で、地震、台風、洪水などの天災で使えなくなると非常に不便な思いを強いられます。これらは、【公共インフラ】と言われています。インフラとは、生活や産業などの経済活動を営む上で不可欠な社会基盤です。

公共インフラの中に、通信があり、その中に、電話があります。電話は、従来音声でやりとりをすることが前提としてあったため、法律・システム・制度などが、音声のみを使うことを想定されて作り上げられてしまいました。

きこえない・きこえにくい人にとって、電話において音声でやりとりをする上でバリアがあり、みんなのための公共インフラであるにも関わらず、結果として一部の方を排除している状態が続いていました。

1869年(明治2年)の10月23日に、東京~横浜間の電信線架設工事に着手したことにちなんで、10月23日は、「電信電話記念日」と定められていました。この時からずっと150年以上もバリアが公共インフラである電話の中に存在していたことになります。

2021年1月現在では、日本には公的な電話リレーサービスは存在しておらず、日本財団が制度化を目的とした「日本財団電話リレーサービス・モデルプロジェクト」という形で利用期間・時間・使用者数に制限をつけた試行サービスを提供しているのみです。

2021年7月から公的インフラ化し、一般財団法人日本財団電話リレーサービスが、総務大臣より電話リレーサービス提供機関の指定を受けて、電話リレーサービスを実施することになりました

電話リレーサービスの公的インフラ化までの道すじ

2020年までは、世界では  25ヶ国以上で、既に公的サービス化しているのに、日本では未だ公的サービスになっていませんでした。

特定非営利活動法人インフォメーションギャップバスター(横浜市)は、主に聴覚障害などによりコミュニケーションに困難を覚える会社員や専門職で構成されるコミュニケーションバリアフリーを推進する団体です。当団体には、業務や生活で電話が使用できないために、職場での活躍の範囲が狭められ、また、生活上様々な困難と不便を経験した本人及び家族のメンバーが多く存在します。

2013年度に日本財団が「電話リレーサービスモデルプロジェクト」をスタートした際は、多くのメンバが積極的に活用し、リアルタイムでコミュニケーションできることにより、QOL(生活の質)の向上や会社や社会での活動範囲が広がるなどの素晴らしさを体感しました。IGBの会員に調査した結果は、下記の通り、「すぐ用事が終わった」「すぐ連絡できた」「今まで諦めていたことができた」となっていました。

 

具体的には下記の通り。

  • 通信販売のWebサイトに書いてあることだけでは分からないため、電話リレーサービスを使用して、お客さま窓口に直接相談することで、納得のいく買い物ができた。
  • メールで問い合わせ後、3日経っても返事がこなかったので、電話リレーサービスで連絡したら、その場で、細かいところをやりとりして、すぐ納得のいく回答をもらうことができた。
  • カードを紛失した時にすぐ連絡できて、迅速にカード利用停止手続きをしていただけた。
  • ネット販売で購入したい物に不明点があったので、その場で販売会社と連絡をとって、確認ができたので、すぐ注文することができた。
  • 前から行きたいと思っていたレストランに電話リレーサービスを利用して予約することができた。
  • 学びたいと思っていた講座に事前に電話リレーサービスを利用して内容を細かく確認した上で、納得して申し込むことができた。

しかしながら、試行サービスであるが故に、利用時間に限りがあること、そして、緊急電話(警察、消防、救急など)ができないなどの多くの課題があることに気付きました。

そして、2014年度より「電話リレーサービス啓発プロジェクト」を立ち上げ、電話リレーサービスの早期公的サービス化・24時間365日対応を求めて、署名を集めて、2017年7月12日に総務省に「電話リレーサービス」の【24時間365日対応/公的サービス化】の要望の8,096筆の署名を総務省へ提出いたしました。

その後、講演・シンポジウム・展示会(対象はコールセンター企業など)出展により、聴覚障害を持つ当事者、その関係者(通訳者、家族など)、電話応対を行う民間企業に対して、普及啓発活動をしてまいりました。その対象は、延べ約7,000名(講演・シンポジウム:約700名、展示会:約6,300名へ啓発パンフレットの配布)にのぼっております。

▼ 【ご支援感謝】7/12に金子めぐみ総務大臣政務官に【電話リレーサービス24時間365日対応/公的サービス化】要望の署名提出しました!

▼ 電話リレーサービス啓発プロジェクト活動(NPO法人インフォメーションギャップバスター)

その後、国会にて、電話リレーサービスの公的サービス化への機運が高まり、総務省及び厚生労働省において、2019年1月から「電話リレーサービスに係るワーキンググループ」を開催し、公共インフラとしての電話リレーサービスの実現に向けた様々な課題についての検討を重ね、2020年6月5日に「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律案」が可決・成立となり、2o2o年12月1日から施行されました。

本法案により、(1) 24時間365日電話をかけることができる(2) 緊急通報(110番、119番など)(3) きこえない・きこえにくい人ときこえる人とで双方向のやりとりができる「電話リレーサービス」が2021年度より開始されることとなりました。

公的インフラ化したものの残る課題 〜社会側に残るバリア〜

2021年度より開始されることが、決まったものの、オペレーターの質・量の確保、緊急通報のスムーズな対応、双方向通信、国民や架電先の企業への周知徹底など、様々な課題が山積みとなっています。2020/4/10〜2020/4/23まで、計126名の「電話リレーサービスモデルプロジェクト」利用者に調査をしたところ下記の3点が課題であることが明らかとなりました。

  • 【本人確認ができない】44%の方が、本人でないとダメと断られ、そのうち1/3以上が代替手段の提示もなかった。断られた所の7割以上が、金融系の窓口である。電話リレーサービスで本人確認可能とするルールがないところが多い。
  • 【通話を拒否される】約2割の方が、電話リレーサービスを利用して架電した際、通話を拒否された経験があった。いたずら電話、迷惑電話などと誤解されることが多い。
  • 【用件の前に説明を要求される】約4割の方が、電話リレーサービスを利用して架電した際、かけ先への説明などのために、待たされた経験があった。3〜10分待たされ、最悪のケースでは、数十分待たされたケースもあった。

【ご報告】電話リレーサービス利用者への使用上の課題についてのアンケート結果

特定非営利活動法人インフォメーションギャップバスターでは、上記のような課題を解決するために、電話リレーサービスの理解を広めるための啓発パンフレット(下記参照)を作成・配布しています。また、講演や勉強会なども随時開催しています。

本パンフレットは次のリンク先からダウンロードいただけます。
▼電話リレーサービス啓発パンフレット【PDF形式】(NPOインフォメーションギャップバスター 発行)

また、全国にあるきこえない・きこえにくい人が経営している飲食店等のご協力を得て、啓発パンフレットを設置・無料配布しておりますので、関心のある方は、お店へご来店の上、受け取っていただければと思います。

店舗名(オーナー名:敬称略) 住所
焼鳥あきづき(手島武志) 福岡県福岡市博多区麦野6丁目1−8
花薫る喫茶処 蕾(羽生裕二) 宮城県塩竈市海岸通4-1プチパレビル2F
喫茶店 コーヒーハウス コーダ(尾中幸恵) 滋賀県大津市末広町7-1大津パークビルB1
Surf House Ohta(太田辰郎) 静岡県湖西市吉美961-102
Social Cafe Sign with Me(柳匡裕) 東京都文京区本郷5-23-11 野神ビル2F
麺屋 義(毛塚和義) 東京都台東区谷中3-24-1野口ビル1F
手話カフェnico(本野有華) 福岡県福岡市博多区千代2丁目22-5
Cut in KOZO(森﨑興蔵) 静岡県静岡市葵区安東1丁目7-15

啓発パンフレットを個別に入手をご希望の方は、以下の申し込みフォームでお問い合わせください。

▼ 啓発パンフレット申し込みフォーム

講演・勉強会の開催をご希望の方、取材や記事執筆をご希望の方は、以下の問い合わせフォームでお問い合わせください。

▼ お問い合わせフォーム

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▼【FAQ】電話リレーサービスについてよく聞かれる質問
▼【募集】電話リレーサービスについて勉強してみませんか?
▼【寄付申込】電話をバリアフリー化する「電話リレーサービス」を社会に広く知らしめたい(GiveOneサイト)

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